スイスが6月5日に、すべての住人に無条件で毎月一定額を支給するベーシック・インカム制度の導入をめぐる国民投票を行うようだ。
導入されると、年金や失業手当など他の社会保障費はすべてなくなる。「尊厳ある生活」まではできないが、十分に生存はできる。「尊厳ある生活」や「贅沢」をしたければ、働けばいいのだ。
大きな利点は、行政の効率化を促し、行政コストが著しく下がると見込まれることだ。役所を離れた人たちにもベーシック・インカムは保証されるので、大鉈を振るうことに躊躇もなければ、反対も少ない。当初の財源不足は、相当補われる可能性がある。
また、「勤労意欲がそがれる懸念」は、必ずしも大きいとは限らない。生きるための労働から、自己実現や社会に役立つための労働に変わることで、生産性が落ちるとは限らないからだ。学問や芸術文化、スポーツが、すべての人々に開かれることになるので、潜在的な成長はむしろ大きくなる可能性がある。
問題点は、いつまで続けられるか、分からないことだ。年金などが廃止された後に、ベーシック・インカム制度も廃止されたならば、これまで以上の混乱は避けられない。法律は変わる。制度は変わる。いつの世も、翻弄されるのは一般人だ。例え、国民投票であったとしても。
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