ドル円相場が111.03円(一時111円割れも)と大きく円高に振れています。
8日まで円ショートは増加傾向にありましたが
9日に日銀が長期国債(10年~25年)の買いオペを約1年ぶりに減額したため
急遽円が買い戻された様です。
またユーロが買い進まれたことでドル売りが加速し
結果的に対ドル円高に拍車が掛かったものと思われます。
<ドルが売られた理由>
〇中国が米国債投資の減額もしくは停止を検討中との報道があった(中国は否定)
〇ECBが国債の購入を減額した上に
場合によっては再増額が有り得るという従来の文言を取り消した
〇日銀の買いオペ減額で、日欧のテーパリング開始が意識された
〇欧州のテーパリング観測に加え、ドイツの政情不安が後退したことで
ユーロ買いが進み、相対的にドル売りが加速した(大連立構想が一歩前進)
〇米物価統計や小売り売上高が予想を下回った
欧州のテーパリングが意識されたのは理解出来ますが
日本のテーパリングに関しては少々意識過剰だと思います。
一方12日のNY市場は四半期決算が順調な滑り出しを見せたことや
原油価格の上昇でエネルギー株が買われたこと
さらには税制改革に伴う企業業績のアップが次年度も続くという見方が先行し
株価は3指数揃って高値を更新しています。
また欧米の株高が続いているため
ドル円111円前後でも日本株の高値更新が期待出来る状況です。
そのため国内企業の四半期決算や当期業績見込みが順調であれば
来月にも日経平均25000円超えが見られそうな気がします。
因みに今年の円相場予想ですが
専門家の間でもドル円105円~120円と大きな開きがあり
今の段階では予測不能と言えそうです。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-12-19/P153LL6S972801
ただ今年の日本株は円相場よりも
世界的な景気回復に伴う株高に引っ張られると予想しており
ドル円が110円以上で推移すれば、出遅れ感の強い日経平均のPERは
16~18倍が妥当ではないかと考えています。
<日経平均株価予想>
日経平均株価=23714円、PER=15.58倍、EPS=1518円(1/12時点)
*NYダウのPER=20.38倍(1/12)
①直近のEPS(1518円)で算出した日経平均のPER「16倍、17倍、18倍」
16倍=24288円、17倍=25806円、18倍=27324円
②予想EPS(1600円)で算出した日経平均のPER「16倍、17倍、18倍」
16倍=25600円、17倍=27200円、18倍=28800円
*日経平均のEPSは今年度の決算で1000円程度上昇すると予想されていますので
1600円と仮定した場合、PER18.75倍で日経平均は3万円に到達します。
あくまでも素人の個人的な予想ですが
世界的な株高が続く限り、日経平均のPER15倍台は格安であり
充分可能と思われる17倍を想定すれば、現状のEPSで25800円
次年度の予想EPSでは27200円という数値になります。
さらに海外勢は安倍政権の下で日本の政治が安定することを望んでおり
安倍総理3選の可能性が高まれば、今年の日本株は安泰だと考えています。
<主なリスク=外部要因>
〇地政学的リスク(中東紛争、北朝鮮問題など)
〇FRBが保有債券の縮小に動く可能性
〇米長期金利が3%を超える勢いで上昇
〇トランプ大統領ロシアゲート疑惑の行方
〇ECBによるテーパリングが本格始動する可能性
〇イタリア総選挙で反EU勢力が勝利する可能性
〇中国の景気減速懸念
<主なリスク=内部要因>
〇消費者物価の上昇(悪い物価上昇)
〇日銀の国債買い入れ額減額のペース及び減額幅の拡大
(日銀は一昨年から国債の買い入れ額を減らしています)
〇中・韓との関係悪化
〇安倍総理3選の可能性が後退