東芝は、提出を延期していた2017年3月期決算の有価証券報告書(有報)を、10日に関東財務局に提出すると発表したそうです。
PwCあらた監査法人は、決算内容について「限定付き適正」とする監査報告案を東芝に提示しており、東芝は決算に一定の「お墨付き」を得たと判断し、提出を決めたようです。
2017年3月期決算を巡っては、米原発事業の巨額損失について、東芝が「2016年12月に報告を受け、すぐに計上した」と主張しましたが、PwCは「東芝が2015年度中に認識しながら処理していなかった可能性がある」とみて対立し、PwCが決算を承認せず、東芝は6月末の有報提出期限を延期して協議を続けてきたそうです。
PwCは一時、東京証券取引所の上場廃止基準に抵触する「不適正意見」を出すことも検討しましたが、損失額自体には争いがなく、決算について不適正とするほどの根拠はないとして、限定付き適正に傾いたようです。
一方でPwCは、不正会計などを防ぐ仕組みが整っているかを評価する「内部統制報告書」については、「不適正」とする案を東芝に伝えたそうです。
東芝が米原発事業の巨額損失を見過ごしたことなどが、内部管理体制の不備にあたると判断したようです。
内部統制報告書が「不適正」となっても上場廃止基準には抵触しないですが、東芝は現在、2015年に発覚した不正会計問題を受けて東証の上場廃止の審査を受けており、新たな悪材料となる可能性があり、東芝の上場維持はなお見通せないようです。
東芝は10日、2017年4〜6月期の四半期決算も併せて公表するそうです。
監査法人から「限定付き適正意見」が得られる見通しであることから、四半期報告書は当初の期限通りに関東財務局に提出するそうです。
「限定付き適正」がだされるとの報道から株価は上がったようですが、まだまだ上場維持については不透明感があるようですね。
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