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7本目のバナナさんのブログ

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めもめも

 株価が何とも冴えない。日経平均は、先週末、そして今週月曜日も、8,500円台で引けた。8,500円台というと、今年の大発会の寄り付きが8,540円だったので、要は、俗にいう「行って来い」の相場展開が現況だ。

 今年のはじめに、筆者が何を考えていたかを振り返ってみよう。1月5日付の本欄コラムに、「不安を抱える2012年の株式市場だからこそ、余裕と意欲のある投資家はあえて「リスク・テイクの報酬」を狙ってみてはどうか」という長いタイトルの拙稿がある。

 ここから、予想を述べている部分を抽出すると、

「筆者個人としては、株価は、年の前半、4月から6月くらいの時期に震災の復興需要による意外に堅調な景気を映して高値、たとえば10,000円を超えて11,000円に迫るような状況を見せた後に伸び悩み、年後半には、海外発の景気へのマイナス要因から株価が再び8,000円に向かって下落するような状況を予想する」

 とある。

 タイトルにある通り、年初の時点で、「買ってみましょう」と言っているので、その時点としては悪いアドバイスではなかったと思う。しかし、上記の文章を見てお分かり頂ける通り、一年かかっての「行って来い」を予想したのだが、事態の展開は想定よりも早く、半年たたないうちに年初水準まで戻ってしまった。予想として、当たっていると言い張るには無理がある。

 ともあれ、一年分として想定した事柄が既に起こってしまったので、「次」を考えなければなるまい。




*** 欧州は心配した以上に脆かった ***
 ここ迄の株価上昇要因と下落要因を整理しておくと、上昇要因は、酷すぎた昨年からのリバウンドと震災の復興需要で企業業績が改善したことと、2月に発表された日銀の「インフレ目標」のサプライズ効果の二つだった。

 業績改善に株価が典型的に反応するのは3月決算企業の業績が当期の予想利益と共に発表される5月で、年初の筆者は、そのようなパターンをイメージしたのだが、筆者でなくても「年初時点で予想できた改善」だったのだから、株価の反応が筆者の想定よりも早く表れたのは半ば当然だ。

 一方、後者は「1%」という不十分なインフレ目標ではあったが、市場からは「前よりまし」だと評価された。株式に限らず、市場は「変化」に反応するものだ。「ひどく悪い状態」から「不十分だけれども少しましな状態」への変化には、それが織り込み済みのものでなければ、ポジティブに反応する。今回は、為替市場も反応して円高が反転したし、為替の反転が株価に更にポジティブな影響を与えた。

 しかし、一つには、「インフレ目標」を掲げて期待を持たせた日銀ではあったが、その後の彼らの行動は、少なくとも株式市場の関係者には残念なものだった。そもそも「1%」という数字は過去のデフレの累積や海外(米国は2%だ)との比較を思うと不十分なものだったし、その後の政策決定会合の決定は何れも期待外れだった。

 もう一つの株価下落要因は、欧州の不良債権問題の再燃だ。ギリシャの政治的混乱、スペインの銀行不安の表面化、フランス大統領選挙でのサルコジ氏敗北など、何れも事前に相当程度予想できた問題だったが、いざ出てみると、欧州は、「損失の表面化と十分な引き当て」及び「十分な資本の手当」という不良債権問題終了の二条件をまだ満たしていなかったので、心配した通り、あるいはそれ以上に脆かった、というのがここまでの展開だ。


*** 消費税をめぐる政局もそろそろ「織り込み済み」 ***
 さて、今後の株価の動向に大きく影響しそうな要因を列挙すると、以下の通りだ。

(1)欧州の債務問題の今後
(2)日本の景気と企業業績
(3)日銀の金融政策
(4)米国の金融政策
(5)消費税をめぐる政局と政策
(6)いわゆるボルカー・ルールなど世界的な金融規制の動向

 先ず、欧州の債務問題の今後については、当面予想されるニュースとしては「悪化」と受け止められるものが多いのではないか。ギリシャはいよいよユーロを離脱する可能性があるし、スペインに対する金額的に十分な支援の枠組みが簡単にできるとは思えない。



 しかし、これらが既に多くの投資家の予想するところとなっていることに注意する必要がある。いわゆる「織り込み済み」という状況だ。

 たとえば、ギリシャのユーロ離脱は一時的に大きな混乱を招くかもしれないが、システムとしてのユーロにとっては「あく抜け」あるいは「負担の軽減」と受け止められる可能性がある。スペインも銀行の不良債権に対する処理を進めた段階で、日本に於ける2003年の、りそな銀行救済の時のように、不良債権問題の処理に達成感が出てくる可能性がある。

 つまり、欧州の問題は、未だ大きな問題が残っているが、相場の材料としてはそろそろ「大底」を形成する要因となる可能性がある。

 日本の企業業績は、今後の為替レートなどの環境にもよるが、今のところ、年初に見込まれていたようなペースでは改善している。

 また、主にエレクトロニクス関係の業種でだが、ここのところ連日のように、大規模なリストラが発表されている。リストラは、株価的には、企業の負担の軽減や経営改善への動きとしてポジティブに評価されやすい材料だ。たとえば、日経の朝刊一面に「パナソニック本社人員半減」と出た5月29日のパナソニックの株価は前日比20円高の536円だった。

 日銀の金融政策は、今後、投資家の期待に十分応える見込みがなさそうだが、それも相当程度「織り込み済み」だろうし、彼らの行動パターンから見て、米国がいわゆる「QE3」に踏み出すような状況となった場合には、これを相殺する程度の追加緩和策を発表するだろう。

 米国の金融政策も注目されるところだが、経済がはっきり悪化することがあれば、QE3(量的緩和第3弾)が実施されるだろう。現時点では、かつての「グリーンスパン・プット」のような「バーナンキ・プット」があると考えられそうだ。仮にQE3的な追加緩和策があった場合、それ自体は、世界の株価にとってプラスだ。

 日本株については、QE3がドル安・円高に働いてマイナス効果をもたらす可能性があるが、これが日銀によって相殺されるなら、世界の株価と景気への底上げ効果が残るので、最終的な効果はプラスになるのではないか。

 消費税率の引き上げについては、民主党政権に対する自民党の協力で結局成立する公算が大きいと筆者は予想している。この場合に、政局が混乱する可能性が一応は懸念されるが、小沢一郎氏に近いとされる議員のグループには選挙が不安な当選一回生議員が多いし、彼らと大阪維新の会の連携が成立するとは思えないので、当面(例えば、三ヶ月以内に)解散総選挙で混乱に陥るということはなさそうだ。



 衆院の定数是正問題がなかなか進展しないことも、選挙の抑止に働いているし、自民党は解散まで至らなくとも、大連立で閣僚ポストを幾つか貰うことが出来るなら十分なのではなかろうか。

 消費税率引き上げの決定自体は、今の経済、株価にとってプラスとは考えにくいが、これもそろそろ「織り込み済み」の域に入っているのではないか。

 まだこなれていない株価の不安要因としては、JPモルガンの巨額トレーディング損失で、がぜん息を吹き返しつつある米国の金融規制(いわゆる「ボルカー・ルール」)が厳しいものに仕上がる可能性が考えられる。

 銀行本体のトレーディングの規制が予想以上に強化されたり、ヘッジファンドへの融資が難しくなったりすると、リスク資産に対する投資が一気に縮小する可能性がある。フランスのオランド新大統領がこうした金融規制に積極的であることもあり、金融規制強化による「リスク・オフ」への急傾斜は、一時的かもしれないが、世界の株価急落につながる可能性のある不安要因だ。


*** そろそろ「買い! 」で出動 ***
 いわゆる「材料」以外に、株価の位置を確認することも重要だ。主な株価判断指標を5月29日(月曜)の終値でみると、東証一部の平均は、PER(株価収益率)が今期の予想利益に対して11.5倍、PBR(株価純資産倍率)が0.88倍、配当利回りが2.4%と、株価は十分に安い。

 諸々の条件を考えると、不安要因も残っているのだが、現状は、俗に言う「夜明け前が一番暗い」といった状況に近い公算が大きいと、筆者は思う。

 年初から3月にかけての株価上昇過程では、「実は、乗り遅れました」という投資家に多くお目に掛かった。

 総合的に評価すると、1月時点よりも、現在の方が株価に対しては好条件であるのではないか。それで、ほぼ同水準の株価なら、もちろん「リスクを取っても大丈夫なお金で」という条件付きだが、そろそろ「買い! 」で出動してもいい状況と思える。

 買い方は、TOPIXのインデックス・ファンド(ETFがいい)を半分、外国株のインデックス・ファンドを半分(内訳として先進国と新興国は、新興国を半分まで買ってもいい)といった、基本的な形でいい。

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