みんなの党・渡辺さんの演説を聴いてきました。
演説には迫力があり、ユーモアがあり、そして、なにより主張が理に適ってます。
国益、国民全体の利益増進に対して、理に適ったことを言っていると思った次第。
単純な反官僚でなく、官僚を正しい方向で使う、と語っている点もマルです。
なぜなら、日本の全ての問題は、つきつめていくと、官僚主導政治に起因しているからです。
官僚主導政治で、官僚が目先の省益追求で好き放題に動き回り、国益逆行の政治になっているから、多くの問題が噴出しているのです(経済低迷、財政悪化、年金危機、防衛力弱体化)。
政治家が主導し、国全体を考えた政治を行えば、こういう問題は収まっていく。
国益(族益でなく国民全体の利益)を考えている政治主導の政治家、それに極力近い政治家に投票し続けるだけで国は簡単に変えられる、、除々にではあるでしょうが。
一方、渡辺さんの演説で問題なのは時間が長すぎること。
聴衆が集中して聞けるのはせいぜい30分。
それ以上の演説は却って逆効果です、、、聴衆の心に染みこみにくくなる。
簡潔でポイントをついたワンフレーズを多用し、難しい言葉(バランスシート、アクチュアリーなど)は一切使わない。
ワンフレーズを繰り返す。
理に適った主張をする。
、、、、ワンフレーズ、繰り返し、合理、、この3つが演説では必要と思います。
ワンフレーズは聴衆・大衆の耳に入りやすく、合理があれば受け入れられやすく、繰り返せば覚えられやすい、からです。
3つの中で最も重要なのはもちろん『合理』です。
『ワンフレーズ』と『繰り返し』だけだと、ヒトラーや日本の大新聞・テレビの洗脳(政権交代、格差是正、一体改革などなど)と全くおなじ。 国を誤るもとになります。
悪しき洗脳に負けないためには、『ワンフレーズ』、『繰り返し』に『合理』を付加することが必要(渡辺さんには合理があります)。
(補足) 演説会という方法は、時間がある高齢者を集めるには良いかも知れません。 しかし、高齢者以外に対しては駅頭演説・街頭演説やビラまきのほうが有効。 また、慌ただしい朝より帰宅時間のほうが有効。 無党派層が圧倒的多数派なので、無党派層のうち、みんなの党の政策が通りやすい層がいる場所、時間に集中した効率的なキャンペーンを行うべきでしょう。 多くの政党には合理が無く支持者が偏っているので(利権に対する合理はあるが、利権=少数組織票である)、無党派層にアクセスできても、無党派層を持続的に取り込むことは出来ない。
みんなの党には合理があるので、無党派層にいかに効率的にアクセスするか、かつ分かりやすく合理を訴えられるかがカギになるでしょう。
(補足) 官僚が目先の省益追求に走るのは、官僚が悪人だからではありません。 官僚は専門家集団。 専門家集団ゆえ、縦割り。 縦割りゆえ省益追求に走る(国益全体は見れないし、見えたとしても他省庁と予算分捕り合戦があるので国益追求行動は取れない)。 一方、縦割りを止めれば専門性がなくなり使い物にならなくなる。 つまり、政治家の統制・指導がなくなれば(オイルショック以降そうなって来ました)、目先の省益追求になってしまうのが官僚機構の特性。 ゆえに、どんな聖人君子が官僚になっても、目先の省益追求になってしまうのです、、、政治主導でない限り。 人間は環境に支配される生き物であり、状況を変えるには環境を変えるしかない、、つまりは政治主導に変えるしかないのです。