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衆院選で与党大敗も「イベント通過」効果もあり株高に

先週金曜日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -259.96 @42,114.40, NASDAQ +103.11 @18,518.60, S&P500 -1.74 @5,808.12)。ドル円為替レートは153円台半ばの先週金曜日比円安ドル高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げて始まったがすぐに切り返し始めて向けて上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,504に対して、下落銘柄数は123となった。騰落レシオは89.34%。東証プライムの売買代金は3兆8858億円。

TOPIX +39 @2,658
日経平均 +692円 @38,601円

米国では、9月米耐久財受注額が前月比0.8%減(予想は1.0%減)となったが市場予想よりは良かった。10月ミシガン大学米消費者態度指数(70.5>予想69.0)も米経済の好調を裏付ける結果となったため、米長期金利は前日の4.215%から4.242%へ小幅上昇した。高値警戒が強まっているため、利食い売り圧力が高まってきた。

本日10月28日の東京市場では、日曜日の衆院選投開票で自民党が大敗したことを受けて、寄り付きは大方の予想どおりに下げて始まった。自民党・公明党合計の過半数割れは2009年以来15年ぶりとなった。今年8月初旬のように日経平均は1000くらいの急落があっても不思議ではないとマーケットは身構えていた。しかし、与党が過半数割れとなることは開票前までの報道で既に予想されていたこともあり、寧ろ「イベント通過」により灰汁抜けして買戻しが優勢となった。さらに先物で空売りを仕掛けていたヘッジファンドが利益確定のために買戻しに転じたと見られる。

米長期金利の上昇と与党が大敗したことを配慮して日銀は追加利上げしにくくなるだろうとの観測により円安ドル高水準での動きや米半導体関連銘柄が上昇した(フィラデルフィア半導体株指数の上昇)ことも日本株の買いを支えた。その結果、日経平均の上げ幅は一時800円を超えた。円安ドル高の動きに反応して、トヨタ自動車やホンダなどの自動車株は上げる一方、ニトリHDやニチレイなど輸入関連銘柄は下げた。

また、自民党・公明党は財政拡張的な国民民主党(減税と社会保険料の軽減など)との連立を組むのではないかいう思惑が浮上して、それによる景気浮揚効果を期待した株買いを誘ったという見方もある。国民民主党は公示前は僅か7議席だったが、蓋を開けてみれば4倍の28議席に急伸した。自民党(191)・公明党(24)・国民民主党(28)が連立或いは連合すれば243議席となり233議席を超える過半数を握れる。さらに、衆院選の大敗により政権が不安定となった今、防衛費増額の財源となる恒久増税は難しくなり、来年夏の参院選後まで先送りされるとの観測も足元の株買いを支える。ただ、国民民主党の玉木代表は自民党との連立の可能性を否定している。それでも政策ごとに是々非々で協力することはあり得るとも言っている。ということは、政策運営が不安定になることを意味し、中長期的な株価にはマイナスになる。

日経平均の日足チャートを見ると、先週金曜日の終値を割り込んで始まったが、すぐに切り返して上昇し始め、結局、超大陽線で終えた。上記に書いた様々な要因が入混じった結果、与党大敗という大きな株安材料を撥ね退けて、長大陽線での反発となった。これだけ大きな株安材料を乗り越えたからには、少なくとも当分の間は先週金曜日のザラバ安値@37,713円を割り込むことはないだろう。そして、11月5日の米大統領選挙が終わると、重要イベント通過により株式相場は安定化すると見る。その先は企業業績見通し次第だろう。

33業種中29業種が上げた。上昇率トップ5は、輸送用機器(1位)、医薬品(2位)、海運(3位)、証券(4位)、電気機器(5位)となった。

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