TOPIX33[医薬品]、NBI指数が値を下げるなか、創薬平均株価は堅調な株価推移となりました。
なかでも、先週末に第19回定時株主総会Q&Aにおいて、いくつかの興味深い質疑応答の報告を行ったリボミックに注目しました。
そのなかで、アプタマー生成プラットフォーム「RaptGen」の開発に関し、共同開発者である早稲田大学の浜田教授の希望により、同技術の特許出願を行わないことを明言しました。
RaptGenの活用により、アプタマー生成の精度と速度の改善、さらに、既存データに含まれない新たなアプタマーの生成が可能となり、リボミックはGPCR創薬プラットフォームを持つそーせいグループや、ペプチド創薬プラットフォームを持つペプチドリームのように、アプタマー創薬のプラットフォーマーとなり得る期待が持たれていました。
そのような背景にあり、今回の報告によってその可能性は限りなく低くなったことが判明し、RaptGenの開発成功を材料とした値上がりが過去にあったことを考慮すると、本日のリボミックの株価は下落が予想されていました。
しかしながら、予想に反してリボミック株は5%を超す上昇となりました。
同材料が株主総会による質疑応答であるため既に織り込み済みであったことや、本日の上昇がテクニカル要因によるものとも考えられるため、明日以降の株価推移を注意深く見る必要があります。
また、2022年3月時点で29億円の現金資産を持つリボミックは、今期純損失を23億円と予想しています。
そのような状況においても、2025年までに5本の臨床試験を開始すると同報告で強調していることから、リボミックは近いうちに新規株式発行による資金調達を行うと予想されます。
現在のリボミックは前途RaptGenによるプラットフォーム事業の展開が難しくなっていることから、事業環境は厳しく、また、急速に資金が減少すると想定されていることから、行使価額修正条項付新株予約権(MSワラント)による資金調達が最も可能性の高い選択肢となるでしょう。
さらに可能であればコミットメント契約も同時に結び、MSワラントの行使決定権(一部)をリボミックが持ちたいところです。
現状では5億円の資金調達が行えれば、1年分の運転資金に目処が立ちます。
「RBM-007」による滲出型加齢⻩斑変性パイプラインは導出交渉が難航すると予想され、同アプタマーによる軟骨無形成症フェーズ2試験は2022年度中の完了が厳しくなってきました。
そのため、リボミックは資金調達を実施することで、時間的余裕を確保したいところではないでしょうか。