東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄数が900を超え、全体の6割近くを占めた。セクター別では、その他製品、パルプ紙、倉庫運輸など8業種が上昇。一方、鉱業、海運、非鉄金属、電気ガス、卸売など25業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ソニーG<6758>、大塚HD<4578>、KDDI<9433>、任天堂<7974>がしっかりだった半面、アドバンテス<6857>、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、信越化<4063>が軟調だった。
前日の米国市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)がこの日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、経済活動は前回4月報告時点から「拡大を続けた」と総括。堅調な米景気を受けたインフレの持続で利下げ観測が後退。長期金利は上昇し主要株価指数が下落した。これが東京市場にも悪影響を及ぼした。また、国内でも日銀の金融政策の正常化への思惑がくすぶるなか、長期金利が約13年ぶりに1.10%に上昇していることも重荷になり、日経平均の下げ幅は一時900円を超えた。関係者からは「日米ともに金利が上昇しているだけに、ファンドなどの海外勢は特定セクターではなく、幅広く株式の持ち高を減らす動きを見せている」との指摘もあった。
目先的には米金融当局が重視するインフレ指標である4月の個人消費支出(PCE)物価統計が31日に発表される。米国の強いインフレ状態が確認されるのか、それともインフレ鈍化が示されるのかが注目されよう。また、国内では、日銀が金融政策の正常化を進め、国債の買い入れを減らすとの見方が大勢を占めており、日銀の金融政策の行方にも注目が集まっている。
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