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※2023年3月10日15時に執筆
『hinaの株ブログ』を執筆しておりますhinaと申します。ニッポン放送の人気番組【飯田浩司のOK!Cozy up!週末増刊号】にレギュラー出演中。Yahoo!特設掲示板にて、「ピストン西沢とhinaの投資部屋」を運営中。CAMPFIREコミュニティにて投資情報配信サロン「hinaの株プレミアム」を開設、市場営業日には毎日メルマガを配信しています。株の入門書『超ど素人が極める株』は翔泳社から出版。増刷中です。
・米国市場
昨晩の米国株式市場は、NYダウが‐543ドル、-1.66%の32254ドル、NASDAQは-237ポイント、-2.05%の11338ポイントと下落しました。SVBファイナンシャル・グループ株が-60%と急落して、銀行セクターが特に大きく下落しています。SVBは資産規模にして、全米18位の地銀です。同社が抱える顧客にはスタートアップ企業が多いようです。2020年のコロナ急落後のコロナバブルでスタートアップを中心とした主体からの預かり残高が2年ほどで3倍ほどに増えていきました。そこで、運用先として同社は不動産担保ローンに投資をしています。しかし、2022年から米国はインフレとの戦いがはじまり、金利は急上昇、債券価格は急落していきます。
2022年からは米株全体が急落していき、スタートアップ企業にお金があまり回ってこなくなっていきます。SVBの預金も引き出しが続いていき、換金のために投資していた債券を売ると損失が発生します。資金調達が必要となってきて、証券の売却と資本増強に動いたことで、株の希薄化懸念からSVB株が一日で-60%の下落が起きた。というところまでが今までの流れのようです。
米国の株式市場は、日本と違ってストップ安という制度がないため、一日で-60%もの下落など、すごい動きが起きますね。SVBの混乱はほかの地銀にも飛び火していますが、まだまだほかの銀行にまで飛び火が移っていく可能性はあります。リーマンショックのような事態になりえるのか、というのは今の時点ではわかりません。しかし、そういう事態を懸念したほうがいいかもしれないぐらいの規模の話になるかも、というのはあるかもしれません。かもかもで申し訳ないですが、今の時点ではそうかもしれない、くらいの状態だと思います。
この話で、気になるのは世界中のスタートアップ企業に投資をしているソフトバンクグループ<9984>への影響です。今回のSVBの抱える顧客群にどれだけ、ソフトバンクGの投資先が含まれるかはわかりませんが、米国のスタートアップ企業群や銀行システムにとってマイナスの影響が大きく、そうなればソフトバンクGの投資先も影響を受ける可能性は大きそうです。本日の場中にソフトバンクGが売り込まれていったのは、そういう背景があるようです。
ほかにも、日本のメガバンクも多分この影響が大きかったようで、三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>、みずほFG<8411>の株価が急落となっています。また地銀株では千葉銀<8331>、栃木銀<8550>、筑波銀行<8338>などが下落率上位となりました。SVBフィナンシャルの件がどの程度の規模の話になるか、今の時点では予見することはできませんが、米国市場にとってはネガティブな影響をしばらく与えそうなところです。どうなっていくのか、来週以降も引き続き追っていきたいところです。
・日本市場
日経平均は寄り付き-238円の28385円から始まりました。寄り付きは先物オプションの決済日のSQでした。昨晩の米国市場の急落もあり、全体相場が下げる中、SQ値も‐245円ほどの下落となったようです。寄り後の日経平均はさらに売られていく展開となりました。上で述べたように、メガバンクが米国市場の影響で大きく売り込まれていきました。
昼に、日銀金融政策決定会合の結果発表がありました。結果は現状維持ということでした。11時半に日銀会合の結果が出て、後場から少しだけ日経平均は切り返す場面もありましたが続かず、すぐに下げなおしていくような動きとなりました。13時以降は28150円前後での動きとなり、一瞬だけ‐500円超となる場面もありました。日銀の金融政策決定会合で現状維持となったことで、日本は低金利政策継続となったので、日本株にとってはプラス材料かなと思いましたが、本日の値動きはあまり関係なかったかのように株式市場は下げていきました。今晩の米雇用統計は結構なイベントになりそうなところです。さらには上で述べた、米SVBフィナンシャルの影響がどうなっていくか、こちらに関してはどの程度のネガティブな影響が出ていくのか少し怖さのあるところです。
執筆者名:hina
ブログ名:hinaの株ブログ
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