■株式見通し:売り一巡後は材料株などを中心に押し目狙いのスタンス
■野村不HD、21/3上方修正 営業利益740億円←710億円
■前場の注目材料:岩谷産業、関東に液化水素製造の新拠点、200億円投資、供給設備も増設
■売り一巡後は材料株などを中心に押し目狙いのスタンス
19日の日本株市場は、米株安の流れを受けて売り優勢の相場展開になりそうだ。18日の米国市場ではNYダウが153ドル安、ナスダックは409ポイント安だった。米国とロシアの対立悪化、バイデン政権がより強硬な姿勢で臨むとされるアラスカ州での米中外交トップ会談を控えた地政学的リスクへの懸念が高まった。また、原油価格の下落や予想外に増加した週次新規失業保険申請件数で労働市場への懸念に加え、長期金利の上昇がハイテクの重しとなった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比325円安の29735円。円相場は1ドル108円90銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする形からギャップダウンとなり、前日のリバウンド部分を帳消しにしてきそうである。特に長期金利の上昇を受けたハイテク株への売りの影響により、指数インパクトの大きい値がさ株の下落が警戒され、日経平均の重しになりそうである。ただし、日銀の金融政策決定会合を控えるなかでショートポジションを積み上げてくる流れは考えづらく、前日のポジション調整が一巡した後は次第に底堅さが意識されてくるであろう。日経平均の5日線が29900円辺りに位置していることもあり、この水準での底堅い値動きとなれば、3万円を挟んだ値動きも意識されてきそうである。
ナスダックは大幅下落となったが、25日線に抑えられる格好から75日線まで一気に下げてきている。75日線を明確に下放れてくるようだと、3月前半のボトム形成への見方は後退してくるため、ハイテク株などは手掛けづらくさせる。一方で、米長期金利は一時1.75%まで上昇してきており、金融など金利上昇メリット株への資金流入は意識されやすい。結果的にはNT倍率の低下に向かわせやすく、先物市場ではNTショートのポジションも積み上がりやすくなりそうだ。
また、前日の上昇で25日線を上放れてきたマザーズ指数だが、ナスダックの下落影響から売り先行となろう。ただし、年度末接近により次第に個人主体の売買が中心になりやすいことから、売り一巡後は材料株などを中心に押し目狙いのスタンスが意識されやすいだろう。まずはマザーズ指数の25日、75日線辺りでの底堅さを見極めたいところである。
■野村不HD、21/3上方修正 営業利益740億円←710億円
野村不HD<3231>は2021年3月期業績予想の修正を発表。営業利益は710億円から740億円に上方修正している。新型コロナウイルス感染症による業績への影響が1月時点の見通しより軽微であったことや、収益改善施策の効果により、売上高、営業利益、事業利益、経常利益、当期純利益のいずれも予想を上回る見通しとなった。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(30216.75、+302.42)
・日銀のETF購入
・首都圏緊急事態宣言の解除
・海外コロナワクチン接種の進展
・世界的金融緩和の長期化
・岩谷産業<8088>関東に液化水素製造の新拠点、200億円投資、供給設備も増設
・東芝<6502>旧村上系の株主提案可決、昨夏の決議再調査
・富士フイルム<4901>米に顔料分散液工場、インク一貫製造体制
・三菱商事<8058>加ガスファンド参画、環境技術の新興企業支援
・住友ゴム<5110>ゴム破壊を高速撮影、東北大と新技術、0.01秒で3D画像
・ワキタ<8125>急傾斜地をドローン測量、5方向同時撮影カメラ搭載
・ダイヘン<6622>建築鉄骨に厚板溶接技術、性能証明取得
・ソフトバンク<9434>ニコンと途切れない光無線通信、動く物同士で実証
・新日本電工<5563>鹿島電気炉を再稼働
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・日銀金融政策決定会合(最終日)
・08:30 2月全国消費者物価指数(生鮮品除く)(前年比予想:-0.4%、1月:-0.6%)
・03:30 黒田日銀総裁会見
<海外>
・09:30 豪・2月小売売上高速報値(前月比予想:+0.6%、1月:+0.5%) <ST>
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