純利益ベースで上方修正の可能性があり、来期以降の業績にも期待
まず、2013年3月期第3四半期までの業績は売上が前年同期比4.6%増の562億4300万円、経常利益が9.4%増の18億6700万円、純利益が31.9%増の9億5600万円です。
利益の伸びが堅調な理由としては、工作機械受注の回復により機械・設備事業の営業利益が前年同期比61.5%増の2億4200万円と伸びていること、鉄骨建築需要が緩やかに増加するなかで鉄骨建築資材事業が堅調で、配管資材事業も拡大が進んだことから、建築・配管資材事業の営業利益が17.1%増の7億1700万円と堅調に伸びたことです。そして販売費及び一般管理費、営業外費用の増加が売上よりも低かったことも効いています。なお、純利益の伸びが大きい理由は前年同期よりも特別損失の計上が少ないことがあります。
一方、通期業績予想は売上が前年比1.7%増の749億円、経常利益が6.0%減の23億5000万円、純利益が1.9%減の11億5000万円となっています。純利益ベースでは第3四半期までで年間予想の83%を達成しており、第3四半期に特別損失1億3429万円を計上していることから考えても上方修正の余地があると思います。ちなみに株価は堅調に上昇しているものの、前述の年間業績予想から計算した予想PERは12.1倍であり割高感はないと思います(株価955円で計算)。
さらに同社は有利子負債がゼロで財務内容も手堅く、第3四半期時点の1株あたりの純資産が2034.91円であり、株価955円で計算するとPBRは0.47倍と、0.5倍を切る水準。この点から考えても株価には割安感があるように思います。
同社製品の需要拡大には、国内の自動車産業や製造業全体、鉄骨加工事業者の業績拡大が必要ですが、これらはアベノミクスによって輸出が拡大し、日本経済が回復基調となれば業績が拡大すると予想でき、今期の第4四半期や来期以降も、同社の業績は期待できると思います。