＜マーケットアイ＞ 仕手系材料株が沸騰、主力株買い手控えムードで資金シフト鮮明（２）

　中低位材料株で中軸となっているのは昨年来大相場の道程を辿っている日本カーバイド工業<4064.T>。同社株は特定資金の買い攻勢思惑が根強いが、今年４月１５日に６３０円で年初来高値をつけてからは値を崩し、思惑半ばで仕手化シナリオが頓挫した形となっていた。

　しかし、６月５日の寄り付きに観測された「大口のクロス観測を契機に仕切り直し相場が本格化」（同）する形となり、きょうも頑強な展開で一時７００円台目前まで上値を伸ばす場面があった。真偽は定かではないが、かつて兼松日産農林<7961.T>やルック<8029.T>の大相場を手掛けたとされる投資グループに絡む資金が攻勢をかけているとの思惑が市場を巡っている。「中小型株ファンドなど法人資金や上場企業のオーナー系資金など複合的な資金乗り入れも噂される」（市場関係者）という。

　また、群栄化学工業<4229.T>は３Ｄプリンター関連としてテーマ性を内包していることもあり「値動きに引き寄せられた個人の追随買いが高水準」（国内ネット証券）といい、きょうは上値追いをみせた材料株群の中でもひと際、商いが厚く異彩を放っていた。

　また、突如としてストップ高で東証１部の値上がりトップに買われたのが神栄<3004.T>だ。仕手系材料株としても足の速さは特筆されるが、今の材料株人気に押し出される形で短期筋の買いが飛び火した。同社の子会社でＰＭ２．５を簡単に連続測定できるセンサーを開発するなど、独自の手掛かり材料を内包しており、これが３月初旬の株価１２０円前後から４１８円高値までの急騰劇を生んだ。その後は鳴かず飛ばすだったが、小回り３カ月の格言通り、３カ月の日柄を経て人気が再燃している。

出所：株経通信（株式会社みんかぶ）