個別では、前述のメルカリが週間で9.6%高。2021年6月期は黒字化する見通しとなった。その他のマザーズ時価総額上位では、フリー<4478>が同4.8%高、JMDC<4483>が同4.7%高と堅調だった。JMDCは一部証券会社の投資判断付与が観測されて買われる場面があった。売買代金上位では、6月18日上場のEnjin<7370>や前の週に売られたプレミアアンチエイジング<4934>が大きく上昇。また、クリングルファーマ<4884>が週間のマザーズ上昇率トップとなった。一方、ビジョナル<4194>が同6.9%安、ウェルスナビ<7342>が同5.4%安と軟調。また、インバウンドテック<7031>などが下落率上位に顔を出した。ジャスダック主力は、ワークマン<7564>が同5.5%高、セリア<2782>が同3.0%高と堅調。売買代金上位ではシキノハイテック<6614>などが買われ、オプトエレクトロニクス<6664>は業績上方修正が好感されて大幅高となった。一方、シンバイオ製薬<4582>やテクノホライゾン<6629>は利益確定売りに押された。IPOでは12社もの新規上場があり、ベイシス<4068>が公開価格の2倍超、アイ・パートナーズフィナンシャル<7345>が3倍超という初値を付けた。一方で4社が公開価格割れスタートとなった。
来週の新興市場では、マザーズ指数が6月半ばの戻り高値(1205.83pt、取引時間中)を上回ってくることに期待したい。想定されたとおり、米国ではナスダック総合指数が高値更新基調となっている。短期的なリバーサル(株価の反転)を挟みつつではあるが、7月には決算発表シーズンが控えていることもあり、好業績が期待できるグロース(成長)株の優位が続き、新興IT株中心のマザーズにとって追い風となるだろう。6月末にはIPOラッシュが一巡し、需給改善にも期待が持てる。
IPOラッシュ通過後は直近上場銘柄の見直しの動きも想定される。需給要因で初値が伸び悩み、再評価の余地が大きそうなのはペイロール<4489>、アルマード<4932>、日本電解<5759>など。アイドマ・HD<7373>やベイシスは業績成長率が非常に高い。なお、来週は6月30日に識学<7049>、フィードフォース<7068>などが決算発表を予定している。
IPO関連では、6月28日に1社、29日に3社、30日に1社が新規上場する。29日のオムニ・プラス・システム・リミテッド<7699>は2社目のJDR(外国株信託受益証券)上場。30日上場でデータ分析ツールのプラスアルファ・コンサルティング<4071>は公開規模がかなり大きいものの、注目度も相応に高い。なお、今週はブレインズテクノロジー<4075>(7月28日、マザーズ)など3社の新規上場とジィ・シィ企画の上場中止が発表されている。
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