企業決算を好感する動きが見られたほか、新型コロナ再流行への懸念を受けた前日の急落は行き過ぎとの見方から押し目買いが優勢だった。全面高となった米株市場を背景に日経平均は358.90円高でスタートすると、朝方は買い戻しが続き一時は27882.43円(+494.27円)と上げ幅を500円近くにまで拡大。しかし、買い戻し一巡後は戻り待ちの売りに押され、前場時点で上げ幅を120円程にまで縮小。後場はさらに上げ幅を50円未満にまで縮小する場面も見られたが、引けにかけてやや持ち直し、前引けとほぼ同水準で終えた。連休中の新型コロナ感染動向や海外市場の動きを見極めたいとの思惑が強く、警戒感の強い様子が窺えた。
大引けの日経平均は前日比159.84円高の27548.00円となった。東証1部の売買高は9億3725万株、売買代金は2兆1486億円だった。セクター別では輸送用機器、非鉄金属、金属製品などが上昇率上位に並んだ一方、鉱業、医薬品、電気・ガス業の3業種が下落した。東証1部の値上がり銘柄は全体の79%、対して値下がり銘柄は全体の16%であった。
個別では、取引時間中に業績予想の大幅な引き上げを発表した巴川製紙所<3878>が後場から急伸してストップ高、値上がり率トップとなった。前日に発表された業績上方修正を手掛かりにNOK<7240>、イーグル工業<6486>も揃って大幅に上昇した。そのほか、証券会社による新規カバレッジが材料視されたピックルス<2925>、レーティング引き上げが観測された三井ハイテック<6966>、リチウムイオン二次電池(LiB)用バインダーなどに使用されるフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)の製造設備増強を決定したクレハ<4023>などが値上がり率上位にランクイン。また、地合いが悪いなか値ごろ感から低位株が物色され、名村造船所<7014>やインプレスHD<9479>などが値上がり率上位に並んだ。
一方、第1四半期の営業減益決算が嫌気されたアルインコ<5933>が大幅に下落。第2四半期業績見通しなどから安心感が先行したディスコ<6146>は高く寄り付いたものの買いが続かず失速して下落に転じた。ワクチン接種に関する一部メディアでの報道が利益確定売りにつながったタマホーム<1419>は値下がり率トップに。そのほか、連休前の手仕舞い売りから前日にかけて上昇が目立っていたレーザーテック<6920>、キヤノン<7751>、JVCケンウッド<6632>などが売りに押された。新興市場では値持ちのよかった銘柄も含め、直近IPOの多くが連休前の手仕舞い売りに押された。
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