~超硬小径エンドミルで業界No.1、新開発センターで市場開拓を加速~
・業績は好調に推移している。部品不足による自動車の影響はあるものの、半導体や電子部品の需要拡大で、業績はコロナ前の水準に戻りつつある。今期の会社計画は3Qで上方修正され、営業利益で2150百万円(前期比+42.1%)とした。来期は収益力が一段と上向いてこよう。
・5軸マシニングセンタ用3枚刃ボールエンドミルの新製品で、「NSコネクト」というスマホによるWebサイトとの連動を開始した。加工条件や加工事例を手軽に見ることができる。今後広がりが出てこよう。この新製品(MSBSH330-5X)は、2021年の超モノづくり部品大賞「機械・ロボット部品賞」を受賞した。
・工場では、小集団活動「オレンジFC活動」が成果を上げている。全員参加で持ち場ごとに改善を提案し実行していく。段取りの効率化など、ここにきて貢献が顕著で、生産性の向上とコスト低減に結びついている。
・米国デトロイトに設立した営業拠点が1月から活動を開始した。将来は工具の在庫センター機能も持たせる。これまで海外売上高に占める米国の比率は6%と低かったが、医療機器分野を主力として、精密加工の需要拡大が見込める。今後数年で大きく伸びよう。
・半導体関連、電子部品関連、スマホ関連とも需要は上向いている。仙台工場の操業度は上がっている。新型コロナウイルスの余波は続くが、新しい精密加工の分野が本格化しつつある。EV(電気自動車)やFCV(水素燃料電池車)も有望である。
・2020年3月に本格稼働した新開発センター(投資額13億円)は、先進的な免震・制震構造を取り入れたオールラウンドの免震構造である。実際2021年2月、3月の地震の時にはその効果を如何なく発揮した。次の工場新設の時には、この技術が活かされよう。
・後藤社長の経営哲学は、利益率重視で規模は追わない。顧客が新製品の加工方法を開発している段階から関わっていく。目標とする売上高経常利益率20%は既に超えているが、来2023年3月期も業績向上に弾みがつき、経常利益率も24%が見込めよう。グローバルな競争力は高まっている。ニッチな市場での高収益に引き続き注目したい。
目次
1.特色 超硬小径エンドミルで業界トップ
2.強み 一貫した集中と差異化で攻める
3.中期経営戦略 ユニークな精密・微細加工技術で内外の新市場を開拓
4.当面の業績 業績回復が本格化、利益率も向上
5.企業評価 競争力を強化し、高収益へ復帰
企業レーティング | A |
---|---|
株価 (2022年2月14日) |
1425円 |
時価総額 | 342億円 (25百万株) |
PBR | 2.17倍 |
ROE | 9.7% |
PER | 22.0倍 |
配当利回り | 1.6% |
総資産 | 17415百万円 |
純資産 | 15919百万円 |
自己資本比率 | 90.2% |
BPS | 628.9円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2014.3 | 6418 | 1069 | 1107 | 694 | 27.8 | 7.5 |
2015.3 | 7402 | 1481 | 1534 | 973 | 39.0 | 10.0 |
2016.3 | 8382 | 1914 | 1954 | 1342 | 53.7 | 12.5 |
2017.3 | 8825 | 2013 | 2026 | 1420 | 56.8 | 20.0 |
2018.3 | 9767 | 2685 | 2733 | 1903 | 76.1 | 22.5 |
2019.3 | 10476 | 2879 | 2894 | 1970 | 78.8 | 22.5 |
2020.3 | 9531 | 2219 | 2231 | 1545 | 61.8 | 22.5 |
2021.3 | 8100 | 1512 | 1712 | 1214 | 48.6 | 17.5 |
2022.3(予) | 9600 | 2200 | 2200 | 1550 | 62.0 | 22.5 |
2023.3(予) | 10300 | 2500 | 2500 | 1700 | 67.9 | 25.0 |
(2021.12ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2014年10月に1:2、2017年1月に1:2、2021年4月に1:2の株式分割を実施。2016.3期以前のEPS、配当は修正ベース。2014.3期は60周年記念配(5円相当)、2017.3期は2部上場記念配(5円)、2018.3期は1部上場記念配(5円)を含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/niltusinnkougu202202.pdf
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