「全固体電池」がランキング首位、国を挙げて開発に本腰<注目テーマ>
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みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で「全固体電池」がランキング1位となっている。
中国や欧州などをはじめ世界的に電気自動車(EV)シフトが加速している。それに合わせ基幹部品であるリチウムイオン電池の需要が急増しているが、さらに高効率の次世代電池として「全固体電池」の技術開発に注目が集まっている。最先端技術分野として、電気自動車開発の最大の課題となっているのが電池である。全固体電池は、現行のリチウムイオン電池の電解液の部分を固体材料に変え、構成する材料すべてを固体化したもの。電解液の液漏れなどに伴う発火の危険性を解消し、EV航続距離の大幅な延長やフル充電時間の画期的な短縮、長寿命化などが可能となる。狭いスペースを前提とするEV用電池として、全固体化することはサイズ、容量の面でも有利な条件を満たす。
国家戦略でEVの普及促進に注力姿勢をみせる中国では、政府支援を背景に電池メーカーが業績を急拡大させている現状にあり、車載用リチウムイオン電池で不動のトップメーカーとして君臨していたパナソニック<6752.T>も中国メーカーに逆転を許す状況にある。一方、全固体電池分野の技術開発では日本は特許出願件数が世界で際立っており、中国と比べても日本がかなり先行している段階にある。
この先行者利益を生かすべく、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は全固体電池の第2期研究開発プロジェクトを開始、全固体リチウムイオン電池の製品化に向けての課題解決に向けた技術の確立や量産技術に積極姿勢をみせている。
欧州では独フォルクスワーゲンが、前月下旬に全固体電池を開発する米企業に1億ドルを追加出資、2025年までの量産体制確立を目指しており、日本も暢気に構えてはいられない。国内メーカーでは、自動車最大手のトヨタ自動車<7203.T>が東京工業大学やパナソニック<6752.T>と連携して同分野の開発に注力しており、2020年代前半にも車載向けに全固体電池が実用化される可能性がある。いずれにしてもEV向け基幹部品では全固体電池がネクストステージの主役を担う公算が大きいといえる。
関連株として注目されるのは、光学ガラスメーカーのトップメーカーで同分野の研究開発に先駆して取り組むオハラ<5218.T>や、固体電解質分野の研究開発に注力するカーリットホールディングス<4275.T>、富士通グループの電池分野担当であるFDK<6955.T>。全固体電池の量産化計画を進めるTDK<6762.T>。同じく量産化を目指す日立造船<7004.T>や超薄型チップ型全固体電池を開発した日本ガイシ<5333.T>、新たな有機ポリマー電解質材料でゲル状の電解質を開発した積水化学工業<4204.T>、樹脂で構成される新型電池の商業化を検討する三洋化成工業<4471.T>などが挙げられる。
出所:minkabuPRESS
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