今週の株式市場は、米通商政策懸念や米ナスダック安、国内災害に急速な円高が重なり、日経平均株価は3週ぶりに大幅反落、週末に25日・75日・200日の移動平均線を一気に下抜いた。
週初の3日は米国によるカナダとのNAFTA見直し交渉や対中追加関税発動に対する懸念に加え、為替の円高基調が重荷となり、日経平均は大幅続落した。
翌4日は前日の米株市場が休場だったこともあって手がかり材料難の中、朝安後に押し目買いで買い戻されるなど方向感に乏しい展開に終始。結局、日経平均は小幅に3日続落した。5日は引き続きカナダや中国に対する米国通商政策と新興国通貨安が進んでいることが警戒される中、中国株安がリスク回避の売りを助長。台風21号による被害で関西国際空港が閉鎖されたことも嫌気売りを誘い4日続落した。6日は終始売り優勢の展開。前日にハイテク株比率の高い米ナスダック指数が急落したことを受け、リスク回避の売りが継続。前日の関西での台風被害に加え、未明に発生した北海道の大地震が買い控えを助長した格好だ。
週末の7日は前日の米ナスダック指数が大幅に3日続落したうえ、為替市場で急速に円高が進んだことが嫌気され、主力輸出株を中心に売りが膨らみ日経平均は一時2万2200円を割り込む場面もあった。後場中ごろから下げ渋ったものの大幅に6日続落となり、8月24日に上抜いた25日、75日、200日移動平均線を一気に下回った。
日経平均株価は、前週比558円(2.44%)安の2万2307円と3週ぶりに大幅反落して取引を終えた。週間の値幅は647円と、前週の354円から拡大した。
週末に中長期の3本の移動平均線を下回ったことから、来週は下値を探る展開になりそうだ。
重要イベントとしては、国内では13日朝に発表される7月機械受注や14日のメジャーSQが注目される。海外では国内手続きが完了した中国に対する米国の制裁関税「第3弾」が発動されるかが最大の注目点だ。そのほか、13日に開催されるECB理事会や同日発表の米国8月消費者物価指数、14日発表の中国8月鉱工業生産にも注視が必要だろう。
◆マーケット・トレンド(9月3日~7日)
【↓】 9月 3日(月)―― 続落、貿易摩擦懸念や円高で利益確定売り優勢
日経平均 22707.38( -157.77) 売買高10億8303万株 売買代金 1兆7989億円
【↓】 9月 4日(火)―― 3日続落、手掛かり材料難のなか方向感定まらず
日経平均 22696.90( -10.48) 売買高10億6239万株 売買代金 1兆8054億円
【↓】 9月 5日(水)―― 4日続落、米貿易摩擦問題と中国株安で売り優勢
日経平均 22580.83( -116.07) 売買高12億3444万株 売買代金 2兆2644億円
【↓】 9月 6日(木)―― 5日続落、米ハイテク株安や地震被害の影響を警戒
日経平均 22487.94( -92.89) 売買高12億8036万株 売買代金 2兆2328億円
【↓】 9月 7日(金)―― 6日続落、米通商政策への警戒感や円高で売り優勢
日経平均 22307.06( -180.88) 売買高13億0961万株 売買代金 2兆2622億円
◆セクター・トレンド(9月3日~7日)
(1)全33業種中、32業種が下落
(2)JXTG <5020> 、昭和シェル <5002> など石油株が業種別下落率トップ
(3)パナソニック <6752> など電機、コマツ <6301> など機械、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株が大きく売られた
(4)菱地所 <8802> など不動産、積水ハウス <1928> など建設といった内需株の一角も大幅安
(5)三井金 <5706> など非鉄、三菱ケミHD <4188> など化学といった素材株も大幅反落
(6)東京海上 <8766> など保険、みずほFG <8411> など銀行といった金融株も軟調
(7)唯一、日水 <1332> など水産・農林業が値を保つ
株探ニュース
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