ストップ高買い気配。先週末に発表した18年3月期業績予想の上方修正が買いインパクトにつながっている。通期営業利益は従来予想の6.0億円から9.0億円、前期比89.1%増の水準に上方修正している。手持ち工事の順調な進捗、竣工した工事の設計変更による収益増額などが寄与する。第2四半期までの進捗率はそれほど高くなかったため、今回の大幅増額はサプライズが強いようだ。
アイビーシー<3920>:1707円(+199円)
大幅続伸で昨年来高値更新。仮想通貨取引所大手のコインチェックが仮想通貨「NEM」の不正流出を発表。大規模な被害発生を受けて、セキュリティ関連として関心が集まる展開となっている。同社はネットワーク機器・システムの稼働状況を監視し、障害発生の予兆などを検知するネットワークシステム性能監視ツールを提供している。また、新サービスとしてブロックチェーン技術を利用したIoTデバイス向けセキュリティサービス「kusabi」の実証実験も行う。
DWTI<4576>:612円(+67円)
一時ストップ高。同社が創製した緑内障治療剤「H-1337」について、緑内障・高眼圧症を適応症とした米国第I/IIa相臨床試験を開始するため、米国食品医薬品局(FDA)に対しIND申請(治験許可申請)を1月25日付(現地時間)で提出したと発表している。緑内障・高眼圧症患者を対象に、本剤を投与した際の安全性及び薬物動態の評価、並びに眼圧下降効果の用量反応性を検討し、POC(創薬概念の検証)を取得することを目的としている。
小糸製<7276>:7800円(-380円)
大幅反落。先週末に第3四半期決算を発表している。堅調な決算だったもののサプライズは乏しく、短期的な出尽くし感が先行する形となっている。10-12月期営業利益は247億円で前年同期比3.5%増、市場予想は250億円程度であったとみられる。北米は苦戦も、日本・アジアが健闘した。通期予想は970億円から1000億円(前期比8.1%増)に上方修正しているが、ほぼコンセンサスどおりの修正幅となっている。
FFRI<3692>:4485円(+260円)
急伸。仮想通貨の国内大手取引所コインチェックで1月26日未明、人気通貨だった「NEM(ネム)」の大規模な不正流出が発生したと伝わっている。外部からの不正なアクセスにより顧客から預かっていたNEMが約580億円分流出したという。この事件を受けて、FFRIなどのサイバーセキュリティ関連銘柄に物色が向かっているようだ。ジャスダックではセキュアヴェ<3042>やテリロジー<3356>が一時ストップ高を付けている。
Sシャワー<4838>:900円(-79円)
急反落。17年4-12月期(第3四半期累計)決算を発表している。営業利益は前年同期比56.8%増の6.07億円で着地した。ただ、4-9月期を営業利益4.90億円(同52.9%増)と順調に通過しており、今回の決算に対する期待も高まっていたようだ。本日は発表を受けて材料出尽くし感から利益確定売りが広がっている。なお、18年3月期の通期業績については、営業利益で前期比9.1%減の5.35億円とする従来予想を据え置いている。
ビーロット<3452>:2935円(+86円)
急反発。2月2日付でマザーズから東証1部へ市場変更すると発表している。従前に実施した立会外分売に関するリリースのなかで市場変更申請を行っていることを公表済みだが、今回の発表を受けてパッシブファンドの資金流入等に対する期待が改めて高まったようだ。同社は14年12月にマザーズへ上場した。
信越化<4063>:13085円(+575円)
大幅反発で上場来高値を更新。先週末に第3四半期決算を発表している。10-12月期営業利益は870億円で前年同期比47%増となり、830億円台だった市場コンセンサスを上回って着地した。通期計画は従来の2680億円から3230億円に上方修正したが、こちらも市場予想の3160億円レベルを上回り、年間配当予想も前期の120円、従来予想の130円から140円に増額している。来年度の業績懸念も乏しく、想定以上の好決算をストレートに評価。
楽天<4755>:1016.0円(-4.5円)
伸び悩みもみ合い。先週末は米ウォルマートとの戦略的提携を発表して上昇していたが、本日は野村<8604>傘下の朝日火災海上を買収して損害保険事業に参入すると報じられている。400-500億円を投じて完全子会社化し、2013年の生保事業参入に続き、生損保を手掛ける体制となる。朝方はポジティブ視する動きが先行したが、携帯電話事業への参入計画もあるなど、相次ぐ積極投資に対する負担増を警戒視する動きが強まる形となっている。
ファナック<6954>:30900円(+340円)
続伸。先週末に第3四半期決算を発表している。10-12月期営業利益は618億円で前年同期比86%増となり、通期計画は2091億円から2249億円に上方修正している。業績上振れ期待は高かったものの、市場予想を100億円程度上回る修正幅をポジティブに捉える動きが先行。受注高も前年同期比44%増、前四半期比15%増の1955億円と再び増加傾向にあり、自社株買いも近く発表される可能性が高まったとの指摘が聞かれる。
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