『馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術』と題して、私が普段のトレードで使っている分析ツール「トレードステーション」について、その活用方法を、最新のニュース情報も交えながらお話しする連載です。
■国策推進で普及に弾み「電子カルテ」
安倍内閣のもとで閣議決定され、その後改定された医療情報システムに関する政策「未来投資戦略2018」では、次世代ヘルスケア・システムの構築に向けたICT等の積極導入・活用が提唱されており、電子カルテの導入はその柱となっています。
地域医療構想とも絡めた、医療情報のネットワーク構築や、ビッグデータ利用推進のため、2020年までに400床以上の一般病院における電子カルテ普及率を90%とする具体的目標が掲げられています。平成29年の厚生労働省のデータによると、電子カルテの一般病院での普及率は46.7%、一般診療所41.6%となっていますので、今後拡大余地が大きいことが窺えます。
こうした政策支援を受けて、相対的に業績好調なのが「電子カルテ」開発・販売企業となっています。
■電子カルテ普及の背景には「消費増税前の駆け込み需要」
ソフトマックス<3671>などは今年に入り相場付きが一変し、株価が5倍近くに急伸しています。電子カルテ普及の背景には「消費増税前の駆け込み需要」も働いているようで、短期的にも注目されます。
またクラウド型が主流となり始めており、開発だけのスポット案件ではなく、継続して収益が得られる「運用・管理」型が増えていることも、好業績の要因として挙げられます。
■電子カルテ関連銘柄
ファインデックス<3649>は病院向け画像管理システム等を手掛け、電子カルテも展開しています。同社のシステムは大学病院に主に導入されており、日本の大学病院149施設のうち106施設、国立大学においては81.0%のシェアを占めています。
また、北海道に本社があるCEホールディングス<4320>は、電子カルテシステム「MI・RA・Isシリーズ」を自社開発しており、中小医療機関に強いです。「MI・RA・Isシリーズ」は全国各地に導入されており、導入実績は2019年3月31日時点で合計813件となっています。
その他、イメージワン<2667>は、電子カルテの画像データを一元管理する情報システムを提供しています。コア<2359>は情報家電・通信向けの組み込みソフト開発が主力で株価も堅調推移ですが、米社が提供するクラウド型電子カルテをグループ企業が手掛けている側面もあります。
現在、「電子カルテの普及率を「40%台から、90%へ」と、政府が動き出しています。国策でもある同テーマは、注目する価値があると言えます。
今回上げた銘柄以外にも、多くの電子カルテ関連銘銘柄があります。マネックス証券のトレードステーションのワークスペースにてまとめていますので、ぜひご覧ください。
(その他の代表的な『電子カルテ関連銘柄』の銘柄リストは、『マネックス証券トレードステーションのHP コラム・レポートのページ』からダウンロードできます。)
次回も、このような形で、話題のニュースから読み解いたテーマとトレードステーションのツールについてお話しします。
※「馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術」は、米国TradeStation Groupが開発したトレーディングツール「トレードステーション」の日本語版(マネックス証券が提供)を馬渕磨理子の見解で注目し、コメントしたものです。開発会社や日本語版提供会社との見解とは異なる場合があります。
(フィスコ企業リサーチレポーター 馬渕磨理子)
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