東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄数990に迫り、全体の6割近くを占めた。セクター別では、海運、証券商品先物、石油石炭、電気ガス、非鉄金属など18業種が上昇。一方、サービス、不動産、繊維製品など15業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、ソフトバンクG<9984>、第一三共<4568>、信越化<4063>が堅調だった半面、リクルートHD<6098>、ダイキン<6367>、レーザーテック<6920>が軟調だった。
前日の米国市場は、5月のADP雇用統計が市場予想を下回り、長期金利が低下したことがプラスとなり、主要株価指数が上昇した。なかでもSOX指数やナスダック総合指数が最高値を更新したため、東京市場でも半導体関連株やAI関連株など指数寄与度の高い銘柄が買われ、日経平均の上げ幅は一時500円を超えた。さらに、日銀の中村豊明審議委員が札幌市金融経済懇談会であいさつし、金融政策の正常化に慎重な発言をしたため、円高傾向が一服し、短期筋による先物への買い戻しが入ったことも相場を押し上げる要因につながったようだ。
日経平均の39000円近辺では75日線などテクニカル面から見た節目が集まっており、この水準を上抜けるには新たな材料が不可欠との声が多い。また、来週には日米の金融政策決定会合という重要イベントが控えている。このところ、米国の経済指標はインフレの沈静化を示すものやインフレ高進を示すものが入り交じるなどまちまちで、目先は経済指標の一喜一憂する展開が続く可能性が高いと言えよう。
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