1. 種まき期から収穫期へ移行
2022年2月期までは「成長への種まき期」と位置付けて、未来に向けた積極的な先行投資(コンサルティング事業及びソリューション事業での優秀な人材の確保、保険業界への領域拡大、ソリューション提案力の強化、イノベーション事業での保有技術を生かした製品・ソリューションの開発、オープンイノベーションの推進、地方共創への取り組み開始など)を実行してきた。
このため2020年2月期から営業損失が継続しているが、2023年2月期からは「収穫期」と位置付けて成長の実現と収益化のフェーズに移行し、早期の営業黒字転換を目指す方針だ。コンサルティング事業及びソリューション事業は、コンサルティングサービスの品質向上や新領域の顧客の深耕により、強固な顧客基盤を生かした成長を目指す。イノベーション事業は、「ワンダーレジ」シリーズやコンパクトPOSセルフレジ「EZレジ」の拡販、さらなる製品・ソリューションの拡充、TTGの業容拡大により、先行投資の収益化を推進する。
3つのコア・コンピタンスをベースにエコシステム(協業モデル)を目指す
2. 協業モデルと地方共創の推進
中長期成長に向けた経営戦略の基本方針として、3つのコア・コンピタンス(課題解決まで行うコンサルティング能力、高度な画像認識・AI技術、オープンイノベーション)をベースに、保有技術とオープンイノベーションによってエコシステム(協業モデル)を推進し、社会に新たな価値を創出する新たなソリューションを具現化することを目指している。
既存事業で培った技術やノウハウを活用して、各地域の課題に合わせた解決策を提供する地方共創プラットフォームの構築も推進する方針だ。コンサルティング事業の主要取引先である地域銀行を窓口として、地元企業の経営陣が抱える経営・業務課題を共有し、イノベーション事業で開発・蓄積した技術・ノウハウ、さらにオープンイノベーションを活用して課題解決に取り組む。
新たなソリューションの例として、店舗利用状況を可視化して店内設計・オペレーションを再構築する店舗可視化ソリューションや、コールセンターやテレワークでのリモート接客によって窓口業務の省人化を実現するアバターリモート接客システムなどの開発・実用化も推進している。
成長ポテンシャルは大きい
3. 経営基盤の整備・強化
蒲原寧代表取締役社長は、「オープンイノベーションを通じて社会の発展に貢献(経営・業務課題の解決、社会問題の解決、地域共創の推進)することで、中長期的には世界に進出して日本を代表するグローバル企業を目指したい」と語り、成長に向けて経営基盤の整備・強化にも着手している。当面は先行投資負担が続くが中長期的な成長ポテンシャルは大きいと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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