寄り付き直後に一時失速したが、植田日銀総裁の発言を受けた為替の円高一服や米景気減速懸念の緩和を背景に景気敏感株を中心に買われ、前場中ごろには32873.15円(379.26円高)まで上昇。その後は来週にかけて控える企業決算や日米の金融政策決定会合を前に様子見ムードが広がり、膠着感の強い展開が続いた。ただ引けにかけてまとまった買いが入り、高値引けとなった。
大引けの日経平均は前日比402.14円高の32896.03円となった。東証プライム市場の売買高は12億4033万株、売買代金は3兆2189億円だった。セクターでは海運、輸送用機器、証券・商品先物取引を筆頭に全面高となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の88%、対して値下がり銘柄は10%だった。
個別では、川崎汽船<9107>の急伸を筆頭に郵船<9101>、商船三井<9104>の海運が上昇。為替の円高一服を受けてトヨタ自<7203>、ホンダ<7267>、マツダ<7261>が買われ、日産自<7201>は株主還元に関する経営陣のインタビュー報道も手掛かりに大幅高。三菱重工<7011>、川崎重工<7012>が大きく買われ、三井物産<8031>、三菱商事<8058>、丸紅<8002>の商社、INPEX<1605>、コマツ<6301>、JFEHD<5411>など景気敏感株が全般上昇。レーザーテック<6920>、ソフトバンクG<9984>、芝浦メカ<6590>、SHIFT<3697>、メルカリ<4385>、ベイカレント<6532>などハイテク・グロース(成長)株の一角も高い。マネーフォワード<3994>は業績上方修正が好感され一時急伸、ただ一時下落に転じるなど荒い動きとなった。業績・配当予想を上方修正したムゲンエステート<
3299>はストップ高比例配分となった。
一方、日銀の政策修正観測の後退でみずほFG<8411>、りそなHD<8308>が軟調。ローム<6963>は東芝<6502>への資金拠出に対する資金負担への警戒感などから下落。ファーマフーズ<2929>、日置電機<6866>は好決算ながらも出尽くし感から大きく売られた。
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