25日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は6日ぶり反発、需給面での追い風は止みつつある
・ドル・円は下げ渋り、株高好感した円売りで
・値上がり寄与トップは第一三共<4568>、同2位が東エレク<8035>
■日経平均は6日ぶり反発、需給面での追い風は止みつつある
日経平均は6日ぶり反発。158.14円高の28471.61円(出来高概算4億7683万株)で前場の取引を終えている。
24日の米株式市場でダウ平均は59.64ドル高(+0.18%)と4日ぶりに小幅反発。7月耐久財受注でコア資本財の受注や出荷が予想を上回る伸びとなったため景気減速懸念が後退。7月中古住宅販売成約指数も予想を上回ったほか、バイデン大統領が発表した学生ローン減免による個人消費の下支えへの期待が広がり、主要株価指数は上昇に転じて終了した。ナスダック総合指数は+0.40%と反発。米国株の反発を追い風に日経平均は101.64円高からスタート。時間外取引のナスダック100先物の堅調推移を支援要因に緩やかに上昇を続け、前場中ごろ過ぎには28486.01円(172.54円高)まで上げ幅を広げた。
個別では、東京電力HD<9501>、東北電力<9506>、三菱重<7011>、IHI<7013>など原発関連銘柄が前日同様に大幅高。三菱商事<8058>、三井物産<8031>の商社株も全般堅調。ナスダックが4日ぶりに反発したことで、メルカリ<4385>、エムスリー<2413>、ベイカレント<6532>などグロース(成長)株が高い。東証プライム市場の上昇率上位にはマネーフォワード<3994>、サイボウズ<4776>など中小型株グロース株が散見される。証券会社の目標株価引き上げを受けて日本電波工業<6779>は急伸して上昇率トップ。第一三共<4568>も目標株価引き上げで大幅高。ほか、大阪チタ<5726>、東邦チタニウム<5727>が急伸し、自社株買いを発表したステラケミファ<4109>も大幅に上昇。
一方、10月から新経営体制に移行し、関社長は退社する方向と伝わっている日本電産<6594>は大幅安。月次動向が利食い売りに繋がった神戸物産<3038>も大きく下落。主力処ではSMC<6273>、イビデン<4062>の下落が目立つ。レーティング格下げが観測されたニトリHD<9843>は小幅安。東証プライム市場の下落率上位にはトレジャー・ファクトリー<3093>、ノムラシステム<3940>、KeePer技研<6036>などが入っている。
セクターでは医薬品、金属製品、保険が上昇率上位となった一方、証券・商品先物、鉱業、陸運が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体68%、対して値下がり銘柄は27%となっている。
日経平均は6日ぶりに反発。25日移動平均線が綺麗にサポートしており、テクニカル的には先行き強気派を勢いづかせそうな形だ。米株式市場の引け後に発表されたエヌビディアとセールスフォースの決算では見通しが市場予想を下回り、両者ともに時間外取引で株価が下落していることを踏まえると、かなり底堅い動きと評価できる。経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」に対する事前の警戒感が高いだけに、イベント通過後にはあく抜け感から一旦は上方向とみている向きも多いようで、そうした思惑が下値を支えているとも推察される。
一方、今後の上値余地は乏しいとも考えられる。前日、東京証券取引所が公表した裁定取引に係わる現物ポジションでは、8月19日時点での買い残から売り残を差し引いたネットの裁定買い残は1兆1895億円と、前週から1338億円増加、2021年9月27日以来の高水準を記録した。買い残のみでは1兆4617億円で、2021年3月22日及び9月20日の水準を上回り、2019年以降では最高水準となる。日経平均は、買い残がピークを付けた上述の昨年3月と9月以降、下落傾向となっており、経験則からすると、これまでのような需給面での押し上げ効果を今後期待することは難しいだろう。日経ダブルイン<1357>の買い残が高水準にあるほか、日経レバETF<1570>の売り長が続いており、下値では個人投資家による買い戻しが支えそうだが、全体的には目線は下方向に傾きつつあると言える。
日経平均は、目先は28500円に上値を抑えられた状況が続きそうだ。現在、時間外取引でナスダック100先物が堅調に推移していることもあり、東京時間では株価が下支えられているが、エヌビディアとセールスフォースの冴えない決算を受けて、今晩の米株式市場がどのような動きになるかは不透明。明日の夜には米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がジャクソンホール会議で講演する予定で、模様眺めムードも一段と強まりやすい。あく抜け期待も高いが、翌週末の9月2日には米8月雇用統計の発表も控えており、持続性は疑わしい。いまは静観に徹する場面だろう。
■ドル・円は下げ渋り、株高好感した円売りで
25日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り、137円前半から136円半ばまで失速後は小幅に戻した。米10年債利回りは伸び悩み、序盤はドル売りが先行。ただ、日経平均株価や上海総合指数などアジアの主要指数の堅調地合いで、円売りが主要通貨を支えた。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は136円60銭から137円20銭、ユーロ・円は136円46銭から136円79銭、ユーロ・ドルは0.9960ドルから0.9993ドル。
■後場のチェック銘柄
・アミタホールディングス<2195>、リネットジャパングループ<3556>など、7銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップは第一三共<4568>、同2位が東エレク<8035>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・NZ・4-6月期小売売上高:前期比-2.3%(予想:+1.7%、1-3月期:-0.9%←-0.5%)
【要人発言】
・中村日銀審議委員
「現在の日本経済において、強力な金融緩和を粘り強く続ける必要」
「物価上昇、欧米とは程度や広がりが大きく異なる」
<国内>
・8月政府月例経済報告
<海外>
・15:00 独・4-6月期GDP改定値(前年比予想:+1.5%、速報値:+1.5%)
・米カンザスシティー連銀主催国際経済シンポジウム(27日まで)
<CS>
・日経平均は6日ぶり反発、需給面での追い風は止みつつある
・ドル・円は下げ渋り、株高好感した円売りで
・値上がり寄与トップは第一三共<4568>、同2位が東エレク<8035>
■日経平均は6日ぶり反発、需給面での追い風は止みつつある
日経平均は6日ぶり反発。158.14円高の28471.61円(出来高概算4億7683万株)で前場の取引を終えている。
24日の米株式市場でダウ平均は59.64ドル高(+0.18%)と4日ぶりに小幅反発。7月耐久財受注でコア資本財の受注や出荷が予想を上回る伸びとなったため景気減速懸念が後退。7月中古住宅販売成約指数も予想を上回ったほか、バイデン大統領が発表した学生ローン減免による個人消費の下支えへの期待が広がり、主要株価指数は上昇に転じて終了した。ナスダック総合指数は+0.40%と反発。米国株の反発を追い風に日経平均は101.64円高からスタート。時間外取引のナスダック100先物の堅調推移を支援要因に緩やかに上昇を続け、前場中ごろ過ぎには28486.01円(172.54円高)まで上げ幅を広げた。
個別では、東京電力HD<9501>、東北電力<9506>、三菱重<7011>、IHI<7013>など原発関連銘柄が前日同様に大幅高。三菱商事<8058>、三井物産<8031>の商社株も全般堅調。ナスダックが4日ぶりに反発したことで、メルカリ<4385>、エムスリー<2413>、ベイカレント<6532>などグロース(成長)株が高い。東証プライム市場の上昇率上位にはマネーフォワード<3994>、サイボウズ<4776>など中小型株グロース株が散見される。証券会社の目標株価引き上げを受けて日本電波工業<6779>は急伸して上昇率トップ。第一三共<4568>も目標株価引き上げで大幅高。ほか、大阪チタ<5726>、東邦チタニウム<5727>が急伸し、自社株買いを発表したステラケミファ<4109>も大幅に上昇。
一方、10月から新経営体制に移行し、関社長は退社する方向と伝わっている日本電産<6594>は大幅安。月次動向が利食い売りに繋がった神戸物産<3038>も大きく下落。主力処ではSMC<6273>、イビデン<4062>の下落が目立つ。レーティング格下げが観測されたニトリHD<9843>は小幅安。東証プライム市場の下落率上位にはトレジャー・ファクトリー<3093>、ノムラシステム<3940>、KeePer技研<6036>などが入っている。
セクターでは医薬品、金属製品、保険が上昇率上位となった一方、証券・商品先物、鉱業、陸運が下落率上位となった。東証プライム市場の値上がり銘柄は全体68%、対して値下がり銘柄は27%となっている。
日経平均は6日ぶりに反発。25日移動平均線が綺麗にサポートしており、テクニカル的には先行き強気派を勢いづかせそうな形だ。米株式市場の引け後に発表されたエヌビディアとセールスフォースの決算では見通しが市場予想を下回り、両者ともに時間外取引で株価が下落していることを踏まえると、かなり底堅い動きと評価できる。経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」に対する事前の警戒感が高いだけに、イベント通過後にはあく抜け感から一旦は上方向とみている向きも多いようで、そうした思惑が下値を支えているとも推察される。
一方、今後の上値余地は乏しいとも考えられる。前日、東京証券取引所が公表した裁定取引に係わる現物ポジションでは、8月19日時点での買い残から売り残を差し引いたネットの裁定買い残は1兆1895億円と、前週から1338億円増加、2021年9月27日以来の高水準を記録した。買い残のみでは1兆4617億円で、2021年3月22日及び9月20日の水準を上回り、2019年以降では最高水準となる。日経平均は、買い残がピークを付けた上述の昨年3月と9月以降、下落傾向となっており、経験則からすると、これまでのような需給面での押し上げ効果を今後期待することは難しいだろう。日経ダブルイン<1357>の買い残が高水準にあるほか、日経レバETF<1570>の売り長が続いており、下値では個人投資家による買い戻しが支えそうだが、全体的には目線は下方向に傾きつつあると言える。
日経平均は、目先は28500円に上値を抑えられた状況が続きそうだ。現在、時間外取引でナスダック100先物が堅調に推移していることもあり、東京時間では株価が下支えられているが、エヌビディアとセールスフォースの冴えない決算を受けて、今晩の米株式市場がどのような動きになるかは不透明。明日の夜には米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がジャクソンホール会議で講演する予定で、模様眺めムードも一段と強まりやすい。あく抜け期待も高いが、翌週末の9月2日には米8月雇用統計の発表も控えており、持続性は疑わしい。いまは静観に徹する場面だろう。
■ドル・円は下げ渋り、株高好感した円売りで
25日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り、137円前半から136円半ばまで失速後は小幅に戻した。米10年債利回りは伸び悩み、序盤はドル売りが先行。ただ、日経平均株価や上海総合指数などアジアの主要指数の堅調地合いで、円売りが主要通貨を支えた。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は136円60銭から137円20銭、ユーロ・円は136円46銭から136円79銭、ユーロ・ドルは0.9960ドルから0.9993ドル。
■後場のチェック銘柄
・アミタホールディングス<2195>、リネットジャパングループ<3556>など、7銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップは第一三共<4568>、同2位が東エレク<8035>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・NZ・4-6月期小売売上高:前期比-2.3%(予想:+1.7%、1-3月期:-0.9%←-0.5%)
【要人発言】
・中村日銀審議委員
「現在の日本経済において、強力な金融緩和を粘り強く続ける必要」
「物価上昇、欧米とは程度や広がりが大きく異なる」
<国内>
・8月政府月例経済報告
<海外>
・15:00 独・4-6月期GDP改定値(前年比予想:+1.5%、速報値:+1.5%)
・米カンザスシティー連銀主催国際経済シンポジウム(27日まで)
<CS>
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