ランドコンピュータ<3924>は、独立系システムインテグレータとして歴史を重ね、2018年1月に創業47周年を迎えた。情報サービス業界では珍しい学校法人を起源とする。「こころできまる」を社是に、「1)顧客価値の創造と顧客満足度の追求を図り企業価値を高める。2)次代を拓くプロフェッショナル集団として、情報技術のリーディングカンパニーとなる。3)常に革新的企業文化風土を維持、継続する。」を経営理念として事業を展開する。学校法人を設立母体に持つことから、社員教育に熱心なことが特徴となっている。従業員には、IT系だけでなく業務系の資格を取得するよう奨励しており、1人当たり平均3つに迫る資格を保持している。ITと顧客業務の両方のスキルと知識を有することで、顧客満足度の高いシステム開発を可能にしている。
1. 沿革
同社の歴史は、1)創業から経営基盤整備期、2)成長及び構造改革期、3)改革期以降、の3つのステージに区分できる。1971年の創業から富士通<6702>と(株)東京銀行(現(株)三菱UFJ銀行)のシステム開発で取引を開始し、銀行や保険などの金融システムの受託開発を中心に事業規模を拡大。1987年12月に(株)東洋情報システム(現TIS<3626>)経由でクレジットカードシステム分野に参入したほか、1990年10月には高島屋<8233>と業務請負基本契約を締結し百貨店向け流通システム分野への参入も果たし、ユーザ基盤を拡大した。
1995年頃から2009年頃までが、成長及び構造改革期になる。バブル崩壊、Windows95の登場によりメインフレームからクライアント型サーバシステムの開発が主流となったのを受けて、ITコンサルやパッケージ導入のビジネスへ参入したほか、ネットバンキングシステムなどのWeb開発を本格的に開始するなど事業構造の変革に取り組む。2006年4月にシステムインテグレーション・サービスにおけるインフラ関連業務をインフラソリューション・サービスとして開始したほか、医療システム分野に参入して業務分野を一段と拡大した。
2010年4月からsalesforce.com
2013年4月に、日立ソフトウェアエンジニアリング(株)の社長及び(株)日立ソリューションズの副社長を歴任した諸島伸治(もろしましんじ)を代表取締役社長として招聘した。諸島社長は、上場企業にふさわしい事業基盤と企業業績を上げ、東証2部への新規上場及び東証1部への指定替えに導いた。また、2017年3月期下半期から急成長中のパッケージベースSI・サービスにおいて大口赤字案件が発生したことを受け、業界トップのメーカー系SIerから上級プロジェクトマネージャに移籍してもらい、不採算プロジェクト撲滅のためのプロジェクト管理体制の構築とプロセスの標準化を推進した。同氏は、2018年の株主総会で退任し、替わって産業公共統括事業本部長を務める福島嘉章(ふくしまよしあき)常務が新社長となった。また、富士通でグローバルデリバリーグループITシステム事業本部長であった山村敬一(やまむらけいいち)氏が、常務取締役に新任した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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