個別では、サンバイオ<4592>が週間で6.2%安、MTG<7806>が同17.2%安、ミクシィ<2121>が同12.7%安とマザーズ時価総額上位は軒並み大幅安。英国事業からの撤退を発表したメルカリ<4385>は同25.0%安となった。売買代金上位ではALBERT<3906>やピアラ<7044>が大きく売られ、子会社が廃棄物処理業等の認可を取り消されたエンバイオ・HD<6092>が週間のマザーズ下落率トップだった。一方、好決算のエニグモ<3665>や伊藤忠商事<8001>との資本業務提携を発表したフリークアウト・HD<6094>は逆行高となった。ジャスダック主力も日本マクドナルドHD<2702>が同7.4%安、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が同8.6%安、ワークマン<7564>が同6.7%安と全般軟調。売買代金上位ではエムティジェネックス<9820>などが大幅に下落し、ムラキ<7477>やプリントネット<7805>が週間のジャスダック下落率上位に顔を出した。反面、ワイエスフード<3358>や大塚家具<8186>には買いが向かった。なお、先週はIPOラッシュのピークで12社が新規上場した。ただ、相場全体の軟調地合いが響いて全般に初値は伸び悩み、前述したソフトバンクの上場後は一段と初値買いを手控えるムードが広がった。そのようななか、人工知覚技術を開発するKudan<4425>が人気化した。
今来週の新興市場では、マザーズ指数の不安定な動きが続きそうだ。先週までの大幅下落で需給整理が進み、IPOラッシュを通過することも需給面の追い風になると期待される。しかし、先週末の米国市場でNYダウが大幅続落し、連休明けの日経平均は節目の2万円割れが視野に入ってきた。個人投資家の弱気ムードが一段と強まり、中小型株の反転機運も高まりづらいだろう。
とはいえ、年末年始には人工知能(AI)などの先端技術に関する特集が各種メディアに掲載されるため、ALBERTといった関連銘柄への関心が高まることに期待したい。IPOが一巡することにより、直近IPO銘柄を見直す動きも想定される。初値が飛ばなかった分、今後の評価余地は大きいだろう。なお、今来週は12月25日にパレモ・HD<2778>、27日に夢の街創造委員会<2484>、オプトエレクトロニクス<6664>などが決算発表を予定している。
IPO関連では、12月25日にリンク<4428>とベルトラ<7048>がマザーズへ新規上場する。リンクは自動発注・在庫最適化ソフトを手掛け、ベルトラは海外・国内の現地体験型オプショナルツアー専門のオンライン予約サイトを運営する。ともに公開規模はさほど大きくない。なお、同日上場予定だったレオス・キャピタルワークスは延期を発表している。これで18年のIPOは全て終わり、当面はIPO空白期間となる見込み。
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