週明け1日の米株式市場でNYダウは329ドル高と3日続伸し、およそ半年ぶりの高値で取引を終えた。世界経済の減速懸念が和らぎ、アジア・欧州株がほぼ全面高となった流れを引き継いで買いが先行。この日発表された3月のサプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数も市場予想を上回る内容だった。また米中貿易協議の進展に楽観的な見方が広がったことも相場を後押しした。本日の日経平均は米株高を好感して235円高からスタート。
ただ前日までの2日間で計475円上昇していただけに、上値では利益確定の売りが出て、寄り付きを高値に伸び悩む展開となった。東証株価指数(TOPIX)は一時マイナス転換。東証1部の値上がり銘柄は全体の4割ほどにとどまっている。
個別では、前日に続き東エレク<8035>、SUMCO<3436>、アドバンテス<6857>といった半導体関連株や、ファナック<6954>、安川電<6506>といった設備投資関連株の上げが目立つ。半導体関連株は米SOX指数の上昇を引き継ぐ格好となった。米長期金利の上昇を受け、三菱UFJ<8306>や三井住友<8316>といったメガバンク株も堅調。その他売買代金上位では、任天堂<7974>、第一三共<4568>、キーエンス<6861>などが小じっかり。またJDI<6740>が大幅続伸し、双信電機<6938>などとともに東証1部上昇率上位に顔を出している。一方、ソフトバンクG<9984>、ソニー<6758>、ZOZO<3092>などは軟調。楽天<4755>は4%超安と大幅続落している。中小型株が値を崩し、ガンホー<3765>は7%超安。また、決算発表のあさひ<3333>やしまむら<8227>もガンホーとともに東証1部下落率上位に顔を出した。セクターでは、非鉄金属、機械、銀行業などが上昇率上位。反面、不動産業、電気・ガス業、水産・農林業などが下落率上位だった。商品市況の上昇で関連セクターが買われ、内需・ディフェンシブセクターは売られた。
前日の米株高を追い風に、日経平均は3月22日の寄り付きで付けた高値(21713.26円)を上回ってスタートした。しかし、その後は利益確定の売りが出て伸び悩む展開となっている。21000円台後半は昨年10月以降の累積売買代金が多い価格帯であり、戻り待ちの売りが出やすい。日足チャートでは3月22日と同様に陰線を引く形となっており、この水準での上値の重さが改めて意識されそうだ。足元では米中の経済指標が相次ぎ改善していることで世界経済の減速懸念が和らいでいるが、もち合い上放れには更なる材料が必要ということだろう。
バイオ関連株を中心に中小型株が大きく売られており、マザーズ指数は一時4%近く下落した。特段の弱材料は観測されておらず、直近上場銘柄や材料株の一角が値を飛ばしているため個人投資家の物色意欲が減退した感はないが、買い一辺倒には傾きにくいということか。資金の逃げ足の速さに注意しながら取り組みたいところだ。
(小林大純)
<AK>
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