2. マーケット別売上高の動向
2021年3月期のDigital Electronicsの売上高は80,484百万円(前期比1.0%増)となった。製品・市場別内容を見ると、カメラ・カメラモジュールは1,266百万円減となったが、これは主にコロナ禍の影響で顧客のデジカメ生産が低迷したことによる。液晶・タッチパネル・バックライトも812百万円減となったが、携帯電話市場で同社顧客が生産する液晶パネルが有機ELに押されたことが主要因。またパチンコ・パチスロ向けのアミューズメントも561百万円減、TV等の黒物家電向けも528百万円減となった。一方で電気・電子部品、半導体製造装置等の設備用部材はコロナ禍の影響もあり2,793百万円増となった。TOY・ホビーも巣ごもり需要でゲーム機器向けが好調に推移して2,529百万円増となった。電気・電子部品は需要が強かったことに加え、新規顧客を開拓したことも大幅増収に寄与した。
その一方でAutomotiveの売上高は24,484百万円(同9.9%減)となったが、特に第1四半期(4月~6月)にコロナ禍の影響で自動車市場全体が停滞したことの影響を大きく受けた。第2四半期に入ってほぼ前年同期並みにまで回復し、下期には前年同期比5.4%増と回復したが、第1四半期の落ち込みをカバーするには至らず、通期では減収となった。
Broad Market(Digital ElectronicsとAutomotive以外のすべてを含む)の売上高は、75,249百万円(同9.4%増)となった。特にアフターマーケット向けが7,199百万円増と大きく伸長したが、中身としてはドライブレコーダー関連製品が中心となっている。産業機器向けのモーターも781百万円増となったが、一方でOA機器は複合機向けが不振で同1,675百万円の減収となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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