個別では、前述のとおりメルカリが週間で5.1%安と軟調だったが、19年上場組のSansan<4443>は同5.3%高、フリー<4478>も同3.4%高と引き続き堅調な値動きだった。直近上場のJMDC<4483>は同11.3%高となり、マザーズ時価総額9位に浮上した。売買代金上位では決算が嫌気され、事業環境への懸念が広がったUUUM<3990>が急落。昨年12月の上場後に大きく値上がりしたJTOWER<4485>も利益確定の売りが広がった。また、エクスモーション<4394>が週間のマザーズ下落率トップとなった。反面、売買代金トップのロゼッタ<6182>は決算が評価されて値上がりし、がん治療薬の試験進捗に伴う一時金受領を発表したオンコセラピー・サイエンス<4564>が上昇率トップだった。ジャスダック主力ではワークマン<7564>が同3.1%安と軟調。内需関連株が売られた影響もありそうだ。しかし、日本マクドナルドHD<2702>は同1.1%高、ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>は同1.0%高となった。売買代金上位では好決算のドーン<2303>、米見本市出展から人気の続く倉元製作所<5216>が買われ、小倉クラッチ<6408>が週間のジャスダック上昇率トップだった。反面、ニューテック<6734>は前の週に急騰した反動で下げ、決算が嫌気されたエスエルディー<3223>などが下落率上位に顔を出した。
今週の新興市場では、マザーズ指数は引き続き上値の重い展開となりそうだ。1月23日の日本電産<6594>を皮切りに10-12月期の決算発表が始まる。今週の発表はまだ多くなく、中小型株に幕間つなぎ的な物色が向かう可能性はある。しかし、個人投資家にも株式相場全体の先行きを見極めようと企業業績を注視するムードがあるようだ。短期的な物色の矛先は比較的値動きの良いジャスダックの材料株などに向かい、マザーズ銘柄は指数の上値の重さもあって敬遠されやすいだろう。
マザーズ指数への直接的な影響は乏しいが、Sansanやフリーといった成長期待の高い19年上場組は先週も当欄で指摘したとおり強い値動き。ここにきて株価を一段と伸ばしてきた12月上場のJMDCに加え、9月上場でロックアップ(従来株主の売却制限)解除通過後に値を戻してきたギフティ<4449>などにも注目したい。また、日本電産など主要企業の決算内容がハーモニックといった関連銘柄の株価にも影響する可能性がある。
IPO関連では、コーユーレンティア<7081>(2月7日、ジャスダック)が1月22日、ジモティー<7082>(2月7日、マザーズ)が23日からブックビルディング(BB)期間に入る。日経平均の上昇ほど個人投資家のマインドが上向いている印象は乏しいが、20年最初のIPOとして相応の需要を集めそうだ。
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