海外市場好調で円安の恩恵も享受
治療領域は循環器系の他、末梢血管系、腹部血管系、脳血管系など幅広く取り扱っています。主軸のPTCAガイドワイヤーにおいては、国内のみならず、欧州中近東市場の市場シェアが継続的に拡大しているほか、米国市場・中国を含むアジア市場において需要増加傾向にあります。海外売上高はメディカル事業全体売上高の50%を超えます。
PTCAガイドワイヤーとは、詰まったり狭くなっている血管を通過して病変部まで医療機器を運ぶために必要なガイドとなります。PTCAとは、経皮的冠動脈形成術と呼ばれるもので、体にメスを入れるバイパス手術に代わる肉体的負担の軽い治療法です。例えば、先端に風船のついたチューブ(バルーンカテーテルのこと)を腕や大腿部の動脈から挿入し、患部で先端の風船を膨らませて血管を押し広げます。この時に必要不可欠なのがガイドワイヤーなのです。
円安環境では輸出企業はもちろん強いのですが、もともと製品自体に競争力がある企業は更に強く業績を伸ばします。
2015年6月期第1-3四半期の業績は、売上高が25.4%増の260億6400万円、営業利益が29.2%増の65億2100万円、経常利益が32.6%増の69億1700万円、純利益が27.6%増の47億300万円と増収増益です。
一方期通期予想は、売上高が24.1%増の394億3000万円、営業利益が25.1%増の75億円、経常利益が29.5%増の79億円、純利益が19.8%増の52億2300万円と増収増益の見込みです。
通期計画に対する経常利益の進捗率は87.6%と好調です。
直近の業績を見ても、国内・海外全地域の需要が堅調に拡大しており、特に欧州・中近東、中国の成長率が高く、円安も追い風となって業績が大幅に拡大中。中期経営計画では2018年6月期に400億円を達成することを目標とし、更にその先において連結売上高1,000 億円企業になることを目指しており、その長期的な成長性にも期待できるところです。