想定以上の増益見通しにより、人気化。
任天堂㈱(7974)
■注目理由
ゲームハードウェア、ソフトウェアにおいて総合首位のシェアを持つ日本の企業。売上高の内訳は、レジャー機器(ゲーム機器その他ハードウェア)が3,160億2,600万円、レジャー機器(ゲーム機用ソフトウェア・コンテンツ収入等)が2,538億2,600万円、その他18億7,400万円。地域別売上高構成比率は日本国内が31.0%、米大陸が38.4%、欧州が27.7%、その他2.9%(2014年3月期決算より)。
次期見通しでは、定番ソフトの稼働維持に加え継続的に新作ソフトを投入する戦略により、売上高5,700億円、営業利益500億円、経常利益550億円、当期純利益350億円を見込んでいる。
平成27年3月期(平成26年4月1日~平成27年3月31日)の連結業績は、売上高5,497億円(前年同期比△3.8%、うち海外売上高4,147億円、海外売上高比率75.4%)、営業利益247億円(前年同期△464億円)、経常利益705億円(前年同期60億円)、当期純利益418億円(前年同期△232億円)であった。ニンテンドー3DSでは、ハードウェアの新しいラインアップとして発売したNewニンテンドー3DS及びNewニンテンドー3DSLLが順調な販売となったものの、これら発売前に従来型ニンテンドー3DSの販売が想定通りに進まなかったこともありハードウェア販売台数は873万台となった。ソフトウェアにおいては、「ポケットモンスターオメガルビー・アルファサファイア」の994万本を始めとして順調に売り上げを伸ばした。Wii Uでは「マリオカート8」が511万本を販売する大ヒットとなり、特に海外で好調で全世界での販売数量はハードウェア338万台、ソフトウェア2,440万本となった。前期末に比べ円安となり為替差益が340億円発生したことなどにより経常利益、当期純利益が増益となった。
(出典:平成27年3月期決算短信〔日本基準〕(連結))
5月7日、任天堂と、「ユニバーサルスタジオ」を運営するユニバーサルパーク&リゾートが業務提携し任天堂のゲームを基にした世界をユニバーサルのテーマパークに展開すると発表。ユニバーサルは映画を基にしたテーマパークを「ユニバーサルスタジオ」として日本の大阪、米カリフォルニア州ロサンゼルス、米フロリダ州オーランド、シンガポールの4箇所に展開。現在中国、ロシアにもテーマパーク建設を計画している。一方任天堂はIPの活用を掲げており、先日はディー・エヌ・エーとの提携を発表した。これまで任天堂によるテーマパーク開設は有望視されてきたものの、前社長・山内溥の私費で設立された「時雨殿」や愛知万博に合わせて開設された「ポケパーク」などに留まっていた。今後両社のクリエイティブチームがコンセプト作りを進め、詳細は後日明らかにされる。
決算発表を受けて市場は好感。想定を上回る好決算により人気化している模様。5月8日には年初来高値を大きく更新しており、強い上昇トレンドにあることが伺える。さらなる上昇に期待だ。
直近の株価はPER71.70倍、PBR2.15倍、配当利回り0.71%となっている。