4月の雇用統計アノマリー
なかなか目を引くタイトルとなっていますが(笑”これは過去の4月の雇用統計の値動きから導き出した答えになります。
あくまで参考程度にしていただきたいのですが、2006年以降の4月の雇用統計の値動きを調べてみたところ、8勝1敗となりました。
上昇した時の平均上昇幅は約70銭。(2006、2007年は値動きのデータは含めず)
最も上昇した年は2013年で、黒田バズーカの後の勢いもありましたので1円30銭上昇しました。下落した年は、2009年で40銭の下落となっています。
最終的に行って来いとなった年(2010、2011年)もあるものの、総じて上昇する確率が非常に高い月となっています。
以前も11月の雇用統計の結果は予想より良くなると書かせていただきましたが、その時の結果はやはりアノマリー通り上昇しています。
ジブリの法則や、sell in Mayなど数々のアノマリーがありますが、統計を取っていくとまだまだ認知度の低いものがたくさんあります。
今回の雇用統計がどのようになるのか、そういった意味でも注目ですね。
ファンダメンタルズ分析
では、ここからは現実的に分析していきましょう。
項目 前回 直近予想 結果
ADP民間雇用者数 18.9万人 20.0万人 16.9万人
ISM非製造業景況指数 56.5 56.2 57.8
ISM製造業景況指数 51.5 52.5 51.5
新規失業保険申請件数 29.0万件 27.9万件 28.75万件
NY連銀製造業景気指数 6.9 7.17 -1.19
シカゴ購買部協会景気指数 46.3 50 52.3
ADPが予想よりも大きく悪化したことで、雇用統計への期待が後退するというのは毎回のお約束。大して当てになるとは思えず、むしろ悪材料を織り込んでいるので、買いのチャンスとなると捉えられます。
そして、注目は好調な新規失業保険申請件数です。
掲載のデータは、雇用統計の集計週(14日の週)を比較した数値ですが、前回の数値よりも好転しており、20万人以上の結果への期待がかかります。
NY連銀やシカゴ購買部協会の数字はあまり見られていませんが、個人的に注目しているシカゴ購買部協会景況指数が前回値より大きく改善されていることから、微力な材料ながら好結果の可能性が高いと思われます。
また、前回は原油安による一斉解雇やストライキもありましたので、その揺り戻しで増加することも考えられ、また改定値がもう少し良い結果となる可能性もあります。
テクニカル分析
テクニカル的なポイントとしては、GW中の高値である120.49円があります。120.50円には大きめのオプションが残っており、これが上値を抑えた格好になっております。
雇用統計での結果が良ければ、4月13日の高値である120.83円は無視され121円を突破しに向かう展開となると考えられます。
そして121円に乗せることができれば、買い遅れ組のドル買いが入ってくることが予想されるので、かなり底堅い展開になりそうです。
一方、下落した場合は昨晩底堅かった119.00円となります。ここを割り込んだとしても、118円台後半には大きめの買いがあるとの噂があり、大幅下落とはなりづらいと考えられます。
今のところ、ドル円は120円に乗せてきたことから、事前の期待感は高まっているといえそうです。
ただし、土曜日には中国の消費者物価指数の発表があることから、発表後に大きく動いたとしてもある程度ポジションの巻き戻しが考えられますので、その点をご注意ください。