ドル円、157円付近まで上げ幅拡大 利下げペースの減速を示唆するのではとの声も=NY為替概況
ドル円、157円付近まで上げ幅拡大 利下げペースの減速を示唆するのではとの声も=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は上向きの流れを持続し、157円付近まで上げ幅を拡大。根強い円安の流れがドル円を下支えしている。本日の上げで21日線を回復しており、160円に向けて明日以降の動きが注目される。
この日発表の10月の米求人件数は予想を大きく上回ったこともドル円を押し上げ。ただし、増加は小売、卸売、医療・ヘルスケアといった一部の業種に限られているほか、採用の落ち込みと解雇の増加が目立ち、労働市場の減速傾向が継続していることも示唆されていた。
市場は明日のFOMCの結果を待っており、短期金融市場では利下げをほぼ確実視している状況。ただ、市場はそれを十分に織り込み、ここ数日は来年以降の見通しに注目が集まっている。一部からは、「パウエル議長が今回のFOMCで、来年以降の利下げペースの減速を示唆するのでは」との声も出ている。根強い高インフレに加え、政府機関閉鎖に伴う米経済指標の欠落が懸念材料となっているという。
アナリストからは「利下げはほぼ確実に見えるが、FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)やパウエル議長の会見が市場の反応を決定づけ、今月残りのトーンを左右する可能性がある」との指摘も出ていた。FOMC後のドル高の反応を意識した動きが、本日のドル円にも出ていたようだ。
ユーロドルは方向感のない値動きが続き、1.16ドル台でのレンジ取引を継続。100日線が1.1645ドル付近に来ており、その付近での一進一退の展開。ユーロ円は182円台半ばに上昇し、ユーロ発足以来の高値を更新。円安の動きは根強い。
前日はECB理事の次の行動は利上げとの発言に反応も見せていたが、基本的には明日のFOMCの結果待ちではある。ECBはしばらく政策を据え置くとの見方が多い。
EUが凍結中のロシア資産をウクライナ向けの金融支援に充てる場合、ユーロが下押し圧力を受ける可能性があるとの指摘が出ていた。こうした措置は、投資先としてのユーロ圏の魅力を損なわせ、長期的にはユーロそのものにダメージを与える恐れがあるという。さらにユーロの安全通貨としての地位も脅かすとの懸念も示していた。
ポンドドルは売りが優勢となり、200日線を下回る展開。一方、ポンド円は上昇しており、一時208円台後半まで一時上昇。7月以来の高値水準を更新している。
アナリストは、ポンドは先週のトップパフォーマーの1つだったが、リスクセンチメントの高まりとドル安が、先月の予算案における財政引き締めへの懸念を覆い隠した。
ただ、世界的な状況が悪化した場合、あるいは注目が英国の課題に戻った場合、ポンドの最近の強さは脆弱であることが証明される可能性があると警告する。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
きょうのNY為替市場、ドル円は上向きの流れを持続し、157円付近まで上げ幅を拡大。根強い円安の流れがドル円を下支えしている。本日の上げで21日線を回復しており、160円に向けて明日以降の動きが注目される。
この日発表の10月の米求人件数は予想を大きく上回ったこともドル円を押し上げ。ただし、増加は小売、卸売、医療・ヘルスケアといった一部の業種に限られているほか、採用の落ち込みと解雇の増加が目立ち、労働市場の減速傾向が継続していることも示唆されていた。
市場は明日のFOMCの結果を待っており、短期金融市場では利下げをほぼ確実視している状況。ただ、市場はそれを十分に織り込み、ここ数日は来年以降の見通しに注目が集まっている。一部からは、「パウエル議長が今回のFOMCで、来年以降の利下げペースの減速を示唆するのでは」との声も出ている。根強い高インフレに加え、政府機関閉鎖に伴う米経済指標の欠落が懸念材料となっているという。
アナリストからは「利下げはほぼ確実に見えるが、FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)やパウエル議長の会見が市場の反応を決定づけ、今月残りのトーンを左右する可能性がある」との指摘も出ていた。FOMC後のドル高の反応を意識した動きが、本日のドル円にも出ていたようだ。
ユーロドルは方向感のない値動きが続き、1.16ドル台でのレンジ取引を継続。100日線が1.1645ドル付近に来ており、その付近での一進一退の展開。ユーロ円は182円台半ばに上昇し、ユーロ発足以来の高値を更新。円安の動きは根強い。
前日はECB理事の次の行動は利上げとの発言に反応も見せていたが、基本的には明日のFOMCの結果待ちではある。ECBはしばらく政策を据え置くとの見方が多い。
EUが凍結中のロシア資産をウクライナ向けの金融支援に充てる場合、ユーロが下押し圧力を受ける可能性があるとの指摘が出ていた。こうした措置は、投資先としてのユーロ圏の魅力を損なわせ、長期的にはユーロそのものにダメージを与える恐れがあるという。さらにユーロの安全通貨としての地位も脅かすとの懸念も示していた。
ポンドドルは売りが優勢となり、200日線を下回る展開。一方、ポンド円は上昇しており、一時208円台後半まで一時上昇。7月以来の高値水準を更新している。
アナリストは、ポンドは先週のトップパフォーマーの1つだったが、リスクセンチメントの高まりとドル安が、先月の予算案における財政引き締めへの懸念を覆い隠した。
ただ、世界的な状況が悪化した場合、あるいは注目が英国の課題に戻った場合、ポンドの最近の強さは脆弱であることが証明される可能性があると警告する。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
最新人気記事
新着ニュース
新着ニュース一覧-
-
今日 08:21
-
-
今日 08:14
注目!みんかぶ企業分析
みんかぶおすすめ
\ 投資・お金について学ぶ入門サイト /