*13:06JST ラクトJPN Research Memo(6):2023年11月期は増収確保。機能性食品原料事業が軌道に乗り成長(2)
■ラクト・ジャパン<3139>の業績動向
(4) アジア事業(チーズ製造販売部門)
中国、タイの景気低迷の影響で需要が減少したこと、加えて原料チーズ価格の高騰を受けて価格を改定したことで、プロセスチーズの販売数量が減少した。一方、シンガポール、マレーシアなどを中心に、外食向けにナチュラルチーズを加工したシュレッドチーズの販売が増加した。近年、東南アジア諸国ではナチュラルチーズの消費が増加傾向にあり、シンガポール工場に導入した新設備の本格稼働により、需要の増加へも対応し、販売を伸ばすことができた。部門全体の販売数量は前期比0.8%増の4,827トン、売上高は同21.2%増の4,828百万円となった。
(5) その他事業
新たな成長の柱として事業拡大を目指す機能性食品原料販売が好調に推移した。国内においてスポーツニュートリションとしてだけでなく、健康を志向する女性や高齢者など一般消費者まで市場が拡大しているプロテイン製品の原料となるホエイプロテインの販売が好調だ。ECサイトや全国のスポーツジムで最終製品を販売するブランドオーナーや異業種から新規参入するプロテインメーカーなどが主な販売先であるが、工場を持たずファブレス経営を行っているブランドオーナー等に対しては、同社は原料の輸入販売だけでなく、OEM先と連携して商品の企画・開発まで行っている。また、激しい競合環境を背景に商品の差別化を図る動きが高まっているため、ホエイプロテイン以外の機能性食品原料等を組み合わせた製品提案に注力している。こうした取り組みにより、売上高は前期比58.9%増の4,462百万円と成長した。
3. 財務状況
同社の2023年11月期末の資産において、流動資産は、営業活動によるキャッシュ・フローの収入が投資活動と財務活動によるキャッシュ・フローの支出を上回ったことで現金及び預金が1,399百万円増加し、受取手形及び売掛金が売掛債権流動化で2,365百万円減少、棚卸資産も乳製品相場が落ち着いてきたことにより1,576百万円減少したことなどで残高は67,068百万円となった。固定資産は、シンガポールの新工場用地の定期借地権取得によりリース資産が1,253百万円増加したことなどで残高は4,969百万円となった。負債において、流動負債は買掛金が3,315百万円減少するなどで残高は37,033百万円となった。固定負債は、長期借入金の増加等により10,281百万円となった。純資産に関しては、剰余金の配当633百万円による減少はあったが、親会社株主に帰属する当期純利益2,048百万円や為替換算調製額等その他包括利益累計額合計756百万円を計上し、24,724百万円となった。資産合計が1,418百万円減少し、純資産は2,242百万円増加したため、自己資本比率は34.2%と前期を3.7pt上回った。ROEは、純資産が増加する一方で減益となったため、8.7%と前期を2.2pt下回った。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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(4) アジア事業(チーズ製造販売部門)
中国、タイの景気低迷の影響で需要が減少したこと、加えて原料チーズ価格の高騰を受けて価格を改定したことで、プロセスチーズの販売数量が減少した。一方、シンガポール、マレーシアなどを中心に、外食向けにナチュラルチーズを加工したシュレッドチーズの販売が増加した。近年、東南アジア諸国ではナチュラルチーズの消費が増加傾向にあり、シンガポール工場に導入した新設備の本格稼働により、需要の増加へも対応し、販売を伸ばすことができた。部門全体の販売数量は前期比0.8%増の4,827トン、売上高は同21.2%増の4,828百万円となった。
(5) その他事業
新たな成長の柱として事業拡大を目指す機能性食品原料販売が好調に推移した。国内においてスポーツニュートリションとしてだけでなく、健康を志向する女性や高齢者など一般消費者まで市場が拡大しているプロテイン製品の原料となるホエイプロテインの販売が好調だ。ECサイトや全国のスポーツジムで最終製品を販売するブランドオーナーや異業種から新規参入するプロテインメーカーなどが主な販売先であるが、工場を持たずファブレス経営を行っているブランドオーナー等に対しては、同社は原料の輸入販売だけでなく、OEM先と連携して商品の企画・開発まで行っている。また、激しい競合環境を背景に商品の差別化を図る動きが高まっているため、ホエイプロテイン以外の機能性食品原料等を組み合わせた製品提案に注力している。こうした取り組みにより、売上高は前期比58.9%増の4,462百万円と成長した。
3. 財務状況
同社の2023年11月期末の資産において、流動資産は、営業活動によるキャッシュ・フローの収入が投資活動と財務活動によるキャッシュ・フローの支出を上回ったことで現金及び預金が1,399百万円増加し、受取手形及び売掛金が売掛債権流動化で2,365百万円減少、棚卸資産も乳製品相場が落ち着いてきたことにより1,576百万円減少したことなどで残高は67,068百万円となった。固定資産は、シンガポールの新工場用地の定期借地権取得によりリース資産が1,253百万円増加したことなどで残高は4,969百万円となった。負債において、流動負債は買掛金が3,315百万円減少するなどで残高は37,033百万円となった。固定負債は、長期借入金の増加等により10,281百万円となった。純資産に関しては、剰余金の配当633百万円による減少はあったが、親会社株主に帰属する当期純利益2,048百万円や為替換算調製額等その他包括利益累計額合計756百万円を計上し、24,724百万円となった。資産合計が1,418百万円減少し、純資産は2,242百万円増加したため、自己資本比率は34.2%と前期を3.7pt上回った。ROEは、純資産が増加する一方で減益となったため、8.7%と前期を2.2pt下回った。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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