*14:48JST Appier Research Memo(8):AI技術強化や顧客拡大、M&A戦略等により事業拡大と企業価値向上を目指す
■Appier Group<4180>の中長期的な経営戦略
事業活動におけるAIの導入状況を見てみると、AI利用の重要性に対する認識は高まっているものの、専門技術を有するスタッフの欠乏や分析対象となるデータの分断により、AIの導入を完了している企業は少ないのが現状だ。一方で、インターネットやモバイルデバイスの急速な普及とファーストパーティデータ活用ニーズの高まり、不確実な事業環境でのROI予測の重要性などを背景に、今後もAIの重要性が高まっていくことが予想される。
このような事業環境で同社は、中長期的な経営戦略として(1) AI技術の継続的な強化と常に最先端の新たなソリューションの開発、(2) 顧客基盤の地域及び業種拡大、(3) アップセル(既利用ソリューションの増加)・クロスセル(他ソリューションの提供)による既存顧客との取引拡大、(4) TAMの拡大、(5) M&A戦略、を掲げ、これらを推進することで事業拡大と企業価値向上を目指している。
(1) AI技術の継続的な強化と常に最先端の新たなソリューションの開発
同社は、AI技術革新への投資を継続して行うことを重要な優先事項としている。AIの研究は長いものの、ビジネスへの活用という点では黎明期であることから、AI研究のバックグラウンドを持つ経営陣が率いるAI企業のパイオニアとして、AI技術への投資を継続して強化し、最先端の研究をビジネスに応用することで新たなソリューションの開発を目指す。
具体的には、「より効率的な機械学習・ディープラーニングにより、顧客企業がより短期間でAIの恩恵を享受できるようにする」「ユーザー分析機能を強化し、動画や音声など、構造化されたデータや非構造化されたデータの分析範囲を拡大する」「機械学習の意思決定フレームワークを適用できる領域を広げる」の3つを推進することで、既存のエンタープライズ・ソフトウェアアプリケーションをAIでさらに自動化していく。加えて、顧客とのコミュニケーション、企業内の意思決定、リソース管理、社内業務の自動化などでAIを活用することで、効率性や精度の向上を目指す。
(2) 顧客基盤の地域及び業種拡大
同社は新規顧客獲得戦略として、緻密なセールス分析とトップダウンでの市場分析に基づき、AIの受容度、業界ごとの成功事例の有無、販売効率の予測を踏まえたうえで、地域参入・顧客獲得戦略を策定し、優先順位をつけている。また、隣接する業界や同業界で似た課題を抱える企業に対しては、同社の成功事例を横展開することで潜在的なターゲット顧客を拡大していく方針だ。これにより、Eコマースやゲームなどの既存業界での獲得事例を増やすとともに、消費財や金融業界など新たな業界での活用事例を増やし、さらに幅広い業界への参入を目指す。
(3) アップセル(既利用ソリューションの増加)・クロスセル(他ソリューションの提供)による既存顧客との取引拡大
ソリューションの拡大に伴い、既存顧客からの力強いアップセルと合わせて、従前以上にクロスセルも増やしていく方針だ。同社が提供する複数のソリューションを採用することで、顧客はソリューションの効果をより高めることができる。各ソリューションは同じクラウドサービス基盤の下に構築されているため、顧客がデータをアップロードするのは一度で済む。このような利便性は顧客の手間を軽減し、より多くのソリューションを採用する意欲を高めるだけでなく、同社にとっても費用対効果が高く、顧客が複数のソリューションを利用することでより高い利益率を得ることができる。ネットワーク効果によって既存顧客のロイヤルティを高め、顧客基盤を拡大し強固にすることに加え、営業力強化によりクロスセルでの収益拡大を実現することで、さらなる業績拡大を目指す。
(4) TAMの拡大
同社は、既述のとおり計画的な海外展開を強みとするが、既存地域での成功パターンを再現することで、新たな地域への進出とグローバルな成長の継続を目指している。アジア太平洋地域については、引き続き最重点地域としてシェア拡大を目指す。特に日本や韓国のような大規模でデジタル技術の浸透した市場はシェア拡大の余地があるとし、既に取引のある業種でのシェアを拡大させながら新たな業種へ進出していく。東南アジア(タイ、シンガポール、ベトナム、インドネシアなど)については、デジタル経済がかつてない速さで成長していることから、Eコマースをはじめとするオンラインサービスなど、将来の成長に向けてデジタルに精通した業種に注力している。また、中国については顧客の海外展開が加速しており、同社の今後の成長ドライバーとなりうる。米国及びEMEAについては、デジタルマーケティング先進国という外部環境を追い風に事業の拡大を図っていく。
(5) M&A戦略
同社は、今後もこれまでのM&A実績に裏付けられた戦略的なM&A・投資の機会を選択的かつ体系的に選択する方針だ。新たな業界や地域を開拓する場合は、既述のとおり既存ビジネスとのシナジーが期待できる隣接領域から始め、技術とソリューションの強化の観点からM&Aの可能性を検討していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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事業活動におけるAIの導入状況を見てみると、AI利用の重要性に対する認識は高まっているものの、専門技術を有するスタッフの欠乏や分析対象となるデータの分断により、AIの導入を完了している企業は少ないのが現状だ。一方で、インターネットやモバイルデバイスの急速な普及とファーストパーティデータ活用ニーズの高まり、不確実な事業環境でのROI予測の重要性などを背景に、今後もAIの重要性が高まっていくことが予想される。
このような事業環境で同社は、中長期的な経営戦略として(1) AI技術の継続的な強化と常に最先端の新たなソリューションの開発、(2) 顧客基盤の地域及び業種拡大、(3) アップセル(既利用ソリューションの増加)・クロスセル(他ソリューションの提供)による既存顧客との取引拡大、(4) TAMの拡大、(5) M&A戦略、を掲げ、これらを推進することで事業拡大と企業価値向上を目指している。
(1) AI技術の継続的な強化と常に最先端の新たなソリューションの開発
同社は、AI技術革新への投資を継続して行うことを重要な優先事項としている。AIの研究は長いものの、ビジネスへの活用という点では黎明期であることから、AI研究のバックグラウンドを持つ経営陣が率いるAI企業のパイオニアとして、AI技術への投資を継続して強化し、最先端の研究をビジネスに応用することで新たなソリューションの開発を目指す。
具体的には、「より効率的な機械学習・ディープラーニングにより、顧客企業がより短期間でAIの恩恵を享受できるようにする」「ユーザー分析機能を強化し、動画や音声など、構造化されたデータや非構造化されたデータの分析範囲を拡大する」「機械学習の意思決定フレームワークを適用できる領域を広げる」の3つを推進することで、既存のエンタープライズ・ソフトウェアアプリケーションをAIでさらに自動化していく。加えて、顧客とのコミュニケーション、企業内の意思決定、リソース管理、社内業務の自動化などでAIを活用することで、効率性や精度の向上を目指す。
(2) 顧客基盤の地域及び業種拡大
同社は新規顧客獲得戦略として、緻密なセールス分析とトップダウンでの市場分析に基づき、AIの受容度、業界ごとの成功事例の有無、販売効率の予測を踏まえたうえで、地域参入・顧客獲得戦略を策定し、優先順位をつけている。また、隣接する業界や同業界で似た課題を抱える企業に対しては、同社の成功事例を横展開することで潜在的なターゲット顧客を拡大していく方針だ。これにより、Eコマースやゲームなどの既存業界での獲得事例を増やすとともに、消費財や金融業界など新たな業界での活用事例を増やし、さらに幅広い業界への参入を目指す。
(3) アップセル(既利用ソリューションの増加)・クロスセル(他ソリューションの提供)による既存顧客との取引拡大
ソリューションの拡大に伴い、既存顧客からの力強いアップセルと合わせて、従前以上にクロスセルも増やしていく方針だ。同社が提供する複数のソリューションを採用することで、顧客はソリューションの効果をより高めることができる。各ソリューションは同じクラウドサービス基盤の下に構築されているため、顧客がデータをアップロードするのは一度で済む。このような利便性は顧客の手間を軽減し、より多くのソリューションを採用する意欲を高めるだけでなく、同社にとっても費用対効果が高く、顧客が複数のソリューションを利用することでより高い利益率を得ることができる。ネットワーク効果によって既存顧客のロイヤルティを高め、顧客基盤を拡大し強固にすることに加え、営業力強化によりクロスセルでの収益拡大を実現することで、さらなる業績拡大を目指す。
(4) TAMの拡大
同社は、既述のとおり計画的な海外展開を強みとするが、既存地域での成功パターンを再現することで、新たな地域への進出とグローバルな成長の継続を目指している。アジア太平洋地域については、引き続き最重点地域としてシェア拡大を目指す。特に日本や韓国のような大規模でデジタル技術の浸透した市場はシェア拡大の余地があるとし、既に取引のある業種でのシェアを拡大させながら新たな業種へ進出していく。東南アジア(タイ、シンガポール、ベトナム、インドネシアなど)については、デジタル経済がかつてない速さで成長していることから、Eコマースをはじめとするオンラインサービスなど、将来の成長に向けてデジタルに精通した業種に注力している。また、中国については顧客の海外展開が加速しており、同社の今後の成長ドライバーとなりうる。米国及びEMEAについては、デジタルマーケティング先進国という外部環境を追い風に事業の拡大を図っていく。
(5) M&A戦略
同社は、今後もこれまでのM&A実績に裏付けられた戦略的なM&A・投資の機会を選択的かつ体系的に選択する方針だ。新たな業界や地域を開拓する場合は、既述のとおり既存ビジネスとのシナジーが期待できる隣接領域から始め、技術とソリューションの強化の観点からM&Aの可能性を検討していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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