■要約
ジェイテック<2479>は技術者派遣に特化した技術職知財リース事業を主力とし、「技術商社(R)」をキーワードとして掲げている。1996年に創業して以来、日本が持つ「匠」の精神を継承し、「技術商社」として取引先とパートナーシップを築きながら発展してきた。多くの有名企業と取引を行っており、幅広い業種を手掛けるだけにとどまらず、特に「機械設計」「電気・電子設計」「ソフトウェア開発」「建築設計」の4分野にも強みを持っている。
1. 2022年3月期第3四半期業績の概要
2022年1月31日に発表した2022年3月期第3四半期の連結決算は、売上高が前年同期比7.2%増の2,209百万円、営業損失が110百万円(前年同期は44百万円の赤字)、経常利益が同94.8%増の90百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同641.4%増の51百万円と増収、大幅な最終増益となった。一般派遣及びエンジニア派遣事業については新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が大きかったものの、主力事業である技術職知財リース事業においては、需要自体は非常に旺盛な状況であり、引き続き営業活動に注力したことで売上高は会社予測通りに進捗した。一方、費用面では、新規事業として開始する「まなクル事業」に関して想定していた新店舗の開設に係る費用の発生が、第4四半期に後ろ倒しされたことが大きな要因となり、販売費及び一般管理費(以下、販管費)が予想を大幅に下回った。なお、営業外収益として計上された助成金収入や投資有価証券売却益などが押し上げ要因となり、経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益は大幅増益となった。
2. 2022年3月期業績の見通し
2021年10月29日付で2022年3月期の通期業績予想を修正している。売上高は従来の3,435百万円から2,977百万円、営業損益は10百万円の営業利益から169百万円の営業損失、経常利益は28百万円から46百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は6百万円から19百万円としている。2022年3月期は戦略的に従来よりも多くの新卒者を採用しており、当初はこの新卒テクノロジストを教育し早期派遣(2021年9月末までに全員稼働開始)をしていく前提だったが、コロナ禍に伴う緊急事態宣言の影響等が色濃く、想定以上に営業活動が制限されたことで、2021年12月末まで後ろ倒しとなったことが売上高及び営業利益見通しの引き下げの主な背景である。一方で、新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金等の支給によって営業外収益が発生したため、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は従来予想を上回る見通しだ。
3. 中期経営計画
2021年5月に策定した中期経営計画の最終年度となる2024年3月期の業績計画は、売上高が4,380百万円、営業利益が188百万円、経常利益が169百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が99百万円となっている。2021年3月期実績ベースでは売上高が58%増、親会社株主に帰属する当期純利益は148%増となる見込み。テクノロジストの増員及び人材レベルの一段の向上に係る各種投資(オフィス増床、教育体制の改善、カリキュラムの改善・刷新等)を2022年3月期まで続ける計画であるため、利益面では苦戦しているように映る。一方で、2023年3月期以降はそういった設備投資フェーズから投資回収フェーズに移行していくため、業績が引き上がっていくことになる。なお、新規採用したテクロノジストの稼働開始の遅れ等が影響し、2021年10月29日付で2022年3月期予想を下方修正しているものの、2022年3月までに想定水準の稼働に戻る見込みのため、中期経営計画目標値は据え置かれている。
■Key Points
・主力の技術職知財リース事業は好調を維持
・新規事業「まなクル事業」における個人、法人の需要の取り込み
・最優先目標は2023年3月期に向けた確実な成長準備
・中期経営計画を策定、2024年3月期に営業利益188百万円、売上高4,380百万円を目指す
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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ジェイテック<2479>は技術者派遣に特化した技術職知財リース事業を主力とし、「技術商社(R)」をキーワードとして掲げている。1996年に創業して以来、日本が持つ「匠」の精神を継承し、「技術商社」として取引先とパートナーシップを築きながら発展してきた。多くの有名企業と取引を行っており、幅広い業種を手掛けるだけにとどまらず、特に「機械設計」「電気・電子設計」「ソフトウェア開発」「建築設計」の4分野にも強みを持っている。
1. 2022年3月期第3四半期業績の概要
2022年1月31日に発表した2022年3月期第3四半期の連結決算は、売上高が前年同期比7.2%増の2,209百万円、営業損失が110百万円(前年同期は44百万円の赤字)、経常利益が同94.8%増の90百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同641.4%増の51百万円と増収、大幅な最終増益となった。一般派遣及びエンジニア派遣事業については新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が大きかったものの、主力事業である技術職知財リース事業においては、需要自体は非常に旺盛な状況であり、引き続き営業活動に注力したことで売上高は会社予測通りに進捗した。一方、費用面では、新規事業として開始する「まなクル事業」に関して想定していた新店舗の開設に係る費用の発生が、第4四半期に後ろ倒しされたことが大きな要因となり、販売費及び一般管理費(以下、販管費)が予想を大幅に下回った。なお、営業外収益として計上された助成金収入や投資有価証券売却益などが押し上げ要因となり、経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益は大幅増益となった。
2. 2022年3月期業績の見通し
2021年10月29日付で2022年3月期の通期業績予想を修正している。売上高は従来の3,435百万円から2,977百万円、営業損益は10百万円の営業利益から169百万円の営業損失、経常利益は28百万円から46百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は6百万円から19百万円としている。2022年3月期は戦略的に従来よりも多くの新卒者を採用しており、当初はこの新卒テクノロジストを教育し早期派遣(2021年9月末までに全員稼働開始)をしていく前提だったが、コロナ禍に伴う緊急事態宣言の影響等が色濃く、想定以上に営業活動が制限されたことで、2021年12月末まで後ろ倒しとなったことが売上高及び営業利益見通しの引き下げの主な背景である。一方で、新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金等の支給によって営業外収益が発生したため、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は従来予想を上回る見通しだ。
3. 中期経営計画
2021年5月に策定した中期経営計画の最終年度となる2024年3月期の業績計画は、売上高が4,380百万円、営業利益が188百万円、経常利益が169百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が99百万円となっている。2021年3月期実績ベースでは売上高が58%増、親会社株主に帰属する当期純利益は148%増となる見込み。テクノロジストの増員及び人材レベルの一段の向上に係る各種投資(オフィス増床、教育体制の改善、カリキュラムの改善・刷新等)を2022年3月期まで続ける計画であるため、利益面では苦戦しているように映る。一方で、2023年3月期以降はそういった設備投資フェーズから投資回収フェーズに移行していくため、業績が引き上がっていくことになる。なお、新規採用したテクロノジストの稼働開始の遅れ等が影響し、2021年10月29日付で2022年3月期予想を下方修正しているものの、2022年3月までに想定水準の稼働に戻る見込みのため、中期経営計画目標値は据え置かれている。
■Key Points
・主力の技術職知財リース事業は好調を維持
・新規事業「まなクル事業」における個人、法人の需要の取り込み
・最優先目標は2023年3月期に向けた確実な成長準備
・中期経営計画を策定、2024年3月期に営業利益188百万円、売上高4,380百万円を目指す
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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