サイバーコム Research Memo(5):ソフトウェア開発事業、サービス事業ともに伸長し、会社計画を上回る増収増益

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最新投稿日時:2021/09/21 15:15 - 「サイバーコム Research Memo(5):ソフトウェア開発事業、サービス事業ともに伸長し、会社計画を上回る増収増益」(フィスコ)

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サイバーコム Research Memo(5):ソフトウェア開発事業、サービス事業ともに伸長し、会社計画を上回る増収増益

配信元:フィスコ
投稿:2021/09/21 15:15
■業績動向

1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要
サイバーコム<3852>の2021年12月期第2四半期累計の売上高は前年同期比8.2%増の7,423百万円、営業利益は同28.1%増の537百万円、経常利益は同26.6%増の542百万円、四半期純利益は同40.5%増の371百万円と半期ベースで過去最高業績を更新し、期初会社計画に対しても売上高、利益ともに上回って着地した。

コロナ禍が続くなかで、企業のシステム投資は慎重な姿勢が続いているものの、インサイドセールス及び技術者による現場営業を強化し、既存顧客を中心としたリピート受注の確保に努めるとともに、新規顧客の獲得や需要拡大が見込まれる成長分野に向けた提案活動を積極的に推進してきたことが増収増益につながった。

売上面では、主力のソフトウェア開発事業が5G関連を中心とした通信ソフトウェア開発の伸長により、前年同期比8.9%増と2期ぶりに増収に転じたほか、サービス事業もSI案件の受注増加並びにプロダクト品の着実な成長により、同6.6%増と増収基調が続いた。営業利益は、増収効果による利益増で133百万円、出張旅費の減少や各種イベントの実施延期による経費のシフトによる増益で16百万円となり、外注費の増加や新入社員の研修費用増加などを吸収して増益となった。また、前年同期は特別損失として新型コロナウイルス感染症対策費用40百万円を計上したため、四半期純利益の増益率は経常利益よりも大きくなっている。

会社計画比の上振れ要因としては、5G関連のソフトウェア開発及び評価検証サービスのほか、製造業向け業務ソフトウェア開発、クラウドへの移行案件等が想定を上回って伸長したこと、イベント出展費用等の経費が一部下期にシフトしたことなどが挙げられる。


5G関連のソフトウェア開発、評価検証サービスが好調

2. 事業セグメント別動向
(1) ソフトウェア開発事業
ソフトウェア開発事業の売上高は前年同期比8.9%増の5,842百万円、営業利益は同13.9%増の939百万円となった。制御ソフトウェア開発の落込みを、通信ソフトウェア開発や業務ソフトウェアの伸長によりカバーした。

分野別の動向を見ると、通信ソフトウェア開発は、売上高で前年同期比55.2%増の1,561百万円、営業利益で同40.6%増の215百万円と大幅増収増益となった。通信端末等のその他通信向けの売上高は同26.4%減と低調だったものの、5Gのコアネットワーク装置開発案件を中心に通信基盤向けが同95.0%増の1,318百万円と大きく伸長し、収益増に貢献した。

制御ソフトウェア開発は、売上高で前年同期比16.3%減の1,247百万円、営業利益で同4.2%減の214百万円と減収減益となった。半導体製造装置やOA機器向けの開発案件が増加したものの、車載用開発案件でコロナ禍の影響や一部内製化の動きが継続していることもあり同28.8%減の634百万円と2期連続で落ち込み、減収減益要因となった。一方で利益面では、生産性向上や経費削減効果等により若干の減益にとどまっている。

業務ソフトウェア開発は、売上高で前年同期比5.7%増の3,033百万円、営業利益で同13.9%増の509百万円と2期ぶりに増収増益に転じた。業界別売上動向を見ると、生命保険会社向けの大型開発案件が2020年12月期第1四半期で終了したことにより、金融業界向けが同6.0%減と減少基調が続いたものの(第2四半期だけで見ると同3.0%増と5四半期ぶりに増収に転じる)、製造業向けが同36.0%増、流通業向けが同37.5%増、公共向けが同10.7%増とそれぞれ伸長したことが増収増益要因となった。製造業向けではCRMシステムや顔認証システム、多言語連携システム等の開発案件を受注し増収に寄与した。また、流通業向けではECサイト構築案件が増加した。

(2) サービス事業
サービス事業の売上高は前年同期比6.6%増の1,567百万円、営業利益は同1.5%増の238百万円となった。SIサービス(サーバ/ネットワーク構築、保守・運用、評価検証サービス)において、社会インフラ及び金融系を中心とした仮想化やクラウドへの移行案件、セキュリティ対策案件、ネットワーク構築案件のほか、5G基地局の評価検証サービスが好調に推移した。

また、自社プロダクトである「Cyber Smartシリーズ」製品は、コールセンター構築や年間保守料の増加などにより好調に推移し、クラウドVPNサービス「楽々セキュアコネクト」も、リモートワーク需要の拡大が続くなかで、手軽かつ安全にリモートワーク環境を構築できるサービスとして中小企業向けを中心に堅調に推移した。2020年7月に販売を開始した位置情報ソリューション「Cyber Position Navi」については、オフィスのフリーアドレス化や物流センターでのトラック運行管理など様々なソリューションを提案しており、引き合いも徐々に増えている。


無借金経営により財務の健全性は高い

3. 財務状況と経営指標
2021年12月期第2四半期末における資産合計は前期末比349百万円増加の10,058百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が66百万円減少した一方で、短期貸付金(富士ソフト向けCMS※貸付金)が398百万円増加した。また、固定資産では減価償却の進展により有形固定資産が31百万円、ソフトウェアが11百万円減少し、投資その他の資産が36百万円増加した。

※CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)とは、企業グループ全体の資金の状況を可視化し、資金の無駄遣いの防止や、資金の不足・不正など、資金に関わる様々なリスクに対応するための管理システムを言う。CMSを活用することにより、親会社は、企業グループ全体の資金を一元的に管理することが可能になり、資金効率の向上や内部統制の強化を図ることができる。


負債合計は、前期末比122百万円増加の4,346百万円となった。主な変動要因を見ると、流動負債では未払費用が35百万円減少した一方で、買掛金が73百万円、未払法人税等が98百万円増加した。また、固定負債では退職給付引当金が105百万円増加した。純資産は前期末比227百万円増加の5,712百万円となった。配当金の支払及び親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により、利益剰余金が227百万円増加した。

経営指標を見ると、無借金経営であり自己資本比率は前期末の56.5%から56.8%に上昇、流動比率についても健全な水準の目安となる200%を上回って推移している。現金及び預金の水準は8億円強となっているが、CMS貸付金を含めると32億円強と増加基調が続いており、財務の健全性は高いと判断される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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配信元: フィスコ

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