エバラ食品工業 Research Memo(5):エバラらしさを追究する「Unique 2023」

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最新投稿日時:2021/06/23 15:35 - 「エバラ食品工業 Research Memo(5):エバラらしさを追究する「Unique 2023」」(フィスコ)

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エバラ食品工業 Research Memo(5):エバラらしさを追究する「Unique 2023」

配信元:フィスコ
投稿:2021/06/23 15:35
■中期経営計画

1. 中期経営計画「Unique 2023」
国内の人口動態や社会・技術環境、消費者嗜好、及びアジアの成長や経済のグローバル化といった、内外の事業環境が大きく複雑に変化している。そのような環境の中、エバラ食品工業<2819>は新価値創造による強い企業成長を指向している。このため、2020年3月期から2024年3月期までの5ヶ年中期経営計画「Unique 2023 ~エバラらしさの追究~」を策定、最終目標の2024年3月期に営業利益28億円、海外売上高20億円、ROE6%の達成に向けて、基本戦略を「コア事業による収益強化と戦略事業の基盤確立」と「“エバラらしく&面白い”ブランドへの成長」に定めて戦略展開していく考えである。

具体的には、企業成長に向けたチャレンジを継続し、エバラの独自性、面白さに磨きをかけて、同社の根幹を支えるコア事業(食品事業における家庭用商品事業、物流事業、広告宣伝事業、人材派遣事業)の収益を拡大していく計画である。また、将来の成長ドライバーとなる戦略事業(食品事業における業務用商品事業・海外事業・チルド事業・コンビニエンスストア及びECへの取り組みなど)を推進することで、国内外で新たな需要や市場を開拓、事業規模の拡大とエバラブランドの育成を図っていく。そのプロセスとして、家庭用商品事業、業務用商品事業、海外その他の事業、社内体制の4つの軸で、それぞれ第1フェーズ、第2フェーズ、最終フェーズと3つのステップを設定、このステップに従って戦略展開がなされていく。なお、業務用商品事業に関しては、コロナ禍の影響による外食産業の事業環境や消費行動の変化に対して変革が必要となったことから、第2フェーズのスタートとなる2022年3月期よりコア事業から戦略事業へと変更している。


コロナ禍も着実に進捗した第1フェーズ
2. 「Unique 2023」第1フェーズの進捗
「Unique 2023」の第1フェーズ(2020年3月期〜2021年3月期)において、当初想定していた国内外の環境変化にコロナ禍の影響が加わったものの、同社は市場変化に応じて機動的に対応、内部コミュニケーションの進化もあって多様な価値創造を推進した。その結果、主力商品の『黄金の味』については、『さわやか檸檬』や『旨にんにく』といった新テイストを展開、同時に既存フレーバーの露出も拡大、内食需要の高まりもあって売上を伸ばすことができた。また、ポーション調味料は通年定番化に向けて着実に前進、年間売上高50億円を達成、発売3年目の『なべしゃぶ』は調理の手軽さが受け、年々2倍以上のピッチで売上高が伸長した。ほかにも、従来の特売を通じて数を売る価格訴求から価値訴求への転換による拡販費の適正化、ライフスタイル変化に応じたタイムリーな商品開発、競争力強化につながる成果主義への社員人事制度見直し等々着実な進捗となった。また、海外では、コロナ禍でやや進捗が遅れたものの、統括拠点化へ向けたEBARA SINGAPORE PTE. LTD.の増資やタイ現地法人の設立発表など展開を活発に進めている。


家庭用商品中心にバージョンアップ
3. 「Unique 2023」第2フェーズ
2021年3月期にスタートした「Unique 2023」第2フェーズでは、『黄金の味』やポーション調味料の販売規模の拡大を図るとともにブランド価値を高めていくことで、さらなる収益力強化を目指す。一方、新価値創造に向けこれからの生活者の価値観や環境に寄り添った商品・サービスの開発も進める。戦略事業の基盤確立では、外部環境の変化に対応した収益モデルの構築と事業基盤の確立を進め、市場変化に応じた商品の選択と集中及び販路の拡大を図る。また、事業ポートフォリオの最適化と経営資源の再配分を進め、国内外のR&D・生産管理の体制を整備・強化することでグループ全体のシナジーを高めていく方針である。サプライチェーン最適化やデジタルトランスフォーメーションなどに取り組むことでSDGsにも対応し、企業としての持続可能性も追究していく。このような取り組みによって、「Unique 2023」の目標を達成していく過程で、ポーション調味料のような大型の新製品や海外事業の成長などが視野に入ってくれば、コロナ禍初動の特別な条件下で達成した2021年3月期営業利益36億円という水準も、遠くない将来にターゲットに入ってくる可能性があると思われる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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