川辺 Research Memo(4):2020年3月期は一時的要因も影響して減収減益

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最新投稿日時:2020/08/03 15:44 - 「川辺 Research Memo(4):2020年3月期は一時的要因も影響して減収減益」(フィスコ)

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川辺 Research Memo(4):2020年3月期は一時的要因も影響して減収減益

配信元:フィスコ
投稿:2020/08/03 15:44
■業績動向

1. 2020年3月期連結業績の概要
川辺<8123>の2020年3月期の連結業績は、売上高が前期比8.5%減の14,859百万円、営業損失が104百万円(前期は224百万円の利益)、経常利益が同88.3%減の43百万円、親会社株主に帰属する当期純損失が13百万円(前期は264百万円の利益)だった。売上高、利益とも計画を下回り、減収減益だった。

売上面では、一部の主要ブランドが好調に推移し、EC事業も大幅伸長したが、主要販売先である百貨店の地方・郊外での閉店、小物・雑貨売場の縮小・移動という百貨店業界に起因する要因に加えて、消費税増税による消費マインド低迷の長期化、暖冬による冬物商戦(スカーフ・マフラー)の苦戦、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う年度終盤の2020年3月からの百貨店・直営店の臨時休業・営業時間短縮などの一時的要因も影響した。また地方百貨店を中心に、取引形態変更の動き(業者による売場運営に転換し、百貨店は売場貸しの不動産デベロッパーに転換する動き)も顕著のようだ。

利益面では、売上総利益は売上高の減少で前期比8.7%減少したが、売上総利益率は35.6%で同0.1ポイント低下にとどまった。販管費は経費抑制で同3.2%減少したが、販管費率は36.3%で同2.0ポイント上昇した。なお特別利益では投資有価証券売却益が減少し、特別損失では投資有価証券評価損が消失し、減損損失が減少した。

2. セグメント別動向
セグメント別の動向は下記のとおりである。

身の回り品事業は、売上高が前期比7.6%減の12,915百万円、経常利益が同60.6%減の251百万円だった。品目別にはハンカチーフが前期比6.5%減収、スカーフ・マフラーが同19.2%減収、タオルが同9.6%減収、その他が同5.1%増収だった。スカーフ・マフラーなど冬物商材が暖冬の影響を大きく受け、全体としても主要販売先である百貨店の地方・郊外での閉店、消費税増税による消費マインド低迷の長期化の影響を受けた。またハンカチーフは3月の新生活需要が、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う百貨店・直営店の臨時休業・営業時間短縮の影響を受けた。

なお全体としては一時的要因も影響して低調だったが、nicolai bergmann(ニコライ・バーグマン)やDORAEMON(ドラえもん)など注力中の一部の主力ブランドは好調に推移し、EC事業も約30%増と大幅伸長した。またエコバッグの食料品売場への提案や、ハンカチーフを活用した簡単なハンカチマスクの作り方の提案など、今後の拡販につながる施策も推進した。

フレグランス事業は、売上高が前期比13.5%減の1,943百万円で、経常損失が37百万円(前期は99百万円の損失)だった。百貨店においてメゾンブランド商品が好調に推移したが、売上構成比の高いホールセール(卸売事業者向け2次卸)、及び直営店の主力製品であるラグジュアリーブランド商品が低調だった。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う百貨店・直営店の臨時休業・営業時間短縮も影響した。


財務健全性に変化なし
3. 財務状況
財務面で見ると、2020年3月期末の資産合計は前期比723百万円減の13,266百万円となった。主に受取手形及び売掛金、投資有価証券が減少した。負債合計は同296百万円減で6,389百万円となった。主に長期借入金が減少した。純資産合計は同427百万円減の6,876百万円となった。この結果、自己資本比率は51.8%で同0.4ポイント低下したが、財務健全性に大きな変化はないと言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


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