~カーブスをスピンオフ、コロナショックは十分乗り切れよう~
【ポイント】
・コロナショックが直撃している。カラオケの店舗は、4月、5月は休業が続き、6月12日から全店営業再開となった。2020年8月期の3Q(3~5月)の業績は大きく低下し、大幅赤字となったが、その後は回復に入っている。ただ、感染者数が再び増加に転じており、回復パターンはまだ見通しにくい。それでも2021年8月期下期には7割水準へ、2022年8月期下期には9割水準に戻すものと想定している。
・店舗の感染症対策は進んでいる。損益分岐点も従来の水準から2割前後引き下げつつある。当社のカラオケの顧客サービス、競争優位性は引き続き高い。資金面では、手持の現金と既に調達済みの借入金で十分賄うことができる。コスト削減にも手を打った。遅くとも来下期には黒字化が見込めるので、キャッシュ・フロー上も問題ない。
・今年2月末に、カーブス事業をスピンオフした。カーブスは3月2日に東証1部に上場した。日本初のスピンオフ税制を使った事業の分割独立で、分割前の株主に何ら不利益はなかった。二社に分割されても、カーブスの株を1:1で同数取得した。
・腰髙社長は、経営を分けた方が互いの成長力を高められると判断した。分割後のコシダカHD(ホールディングス)は自らが経営し、新しいエンタメ・インフラ企業を作っていく。創業の精神が「既存業種新業態」にあり、新サービスと海外展開で飛躍を目指す。
・カラオケは、まねきねこブランドの首都圏展開、集客戦略が当たっており、収益性が大きく向上してきた。AI(人工知能)を活用した新しい楽しみ方なども具体化しよう。海外では、マレーシアの新規出店が好調で、タイに続き、インドネシアでの出店も始まった。今後は、内外のカラオケで1000店を目指すという方向へ展開しよう。
・コロナショック後の経営はどう変化するのか。「既存業種新業態」を軸に、既存市場での事業を新業態の仕組みに変えていく路線は変わらない。「総合余暇サービス提供企業」をビジョンに、中長期的な成長を目指す。今回のコロナショックの克服には3年を要しようが、収益性を戻すことは十分見込めるので、底入れの局面を見ながら、投資のタイミングを計りたい。
目 次
1.特色 「既存業種新業態」の総合余暇サービス提供企業
2.強み カラオケの首都圏展開で競争力を発揮
3.スピンオフ カーブスをスピンオフで分離独立
4.中期経営方針 成熟市場の開拓に成果、次はグローバル展開へ
5.当面の業績 コロナショックをいかに乗り切るか
6.企業評価 本格回復は3年後
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2020年7月29日) |
377円 |
時価総額 | 310億円 (82.3百万株) |
PBR | 1.28倍 |
ROE | 4.6% |
PER | 27.9倍 |
配当利回り | 3.9% |
総資産 | 45154百万円 |
純資産 | 24091百万円 |
自己資本比率 | 53.4% |
BPS | 295.5円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2014.8 | 37720 | 4276 | 4370 | 2423 | 32.0 | 6.9 |
2015.8 | 44257 | 4394 | 4492 | 2098 | 28.2 | 7.5 |
2016.8 | 51170 | 4810 | 4699 | 1900 | 26.2 | 8.0 |
2017.8 | 55283 | 6146 | 6354 | 3255 | 43.6 | 9.0 |
2018.8 | 61771 | 7858 | 8207 | 4426 | 54.4 | 10.0 |
2019.8 | 65840 | 9507 | 9562 | 6226 | 76.6 | 12.0 |
2020.8(予) | 43700 | 2300 | 2500 | 1100 | 13.5 | 12.0 |
2021.8(予) | 29200 | 1100 | 1100 | 600 | 7.4 | 8.0 |
2022.8(予) | 33500 | 3600 | 3600 | 2200 | 27.0 | 8.0 |
(2020.5ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは直近ベース。11.8期末に1:400、14.8期末に1:2、2018年5月末で1:4の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。2020.8期はカーブスを2020年2月末でスピンオフした。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/kosidaka202007.pdf
(開示)日本ベル投資研究所は、スピンオフに関する実態と手続きの詳細を分析するために、当社株式を1000株ほど中長期的に所有している。〔アナリストレポートの原則について(詳しくはこちら)〕
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銘柄名称 | 株価 | 前日比 |
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