■イー・ギャランティ<8771>の今後の見通し
1. 2021年3月期の業績見通し
新型コロナウイルス感染拡大による景気の急速な悪化が続くなか、同社は倒産動向や経済環境の変化を注視しながら、慎重なリスク判断に基づきサービスを展開しつつ、旺盛なニーズに対応するため営業体制の強化にも取り組んでいく方針だ。また、今後の景気悪化を織り込んだリスク評価の見直しや、リスクに見合った価格でタイムリーなサービスを提供することにより、経済インフラとしての役割を担うべく保証サービスの浸透を図っていく。特に、国内の就業者数の約7割を占める中小企業に関しては、飲食業やサービス業などを中心に厳しい経営環境を強いられているところも多く、現在の危機的な状況を回避できるよう様々な面からサポートしていく方針となっている。
こうした経営方針に基づき、2021年3月期の連結業績は、売上高で前期比29.3%増の7,700百万円、営業利益で同9.6%増の2,980百万円、経常利益で同9.1%増の3,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同15.3%減の1,950百万円を見込んでいる。期末保証残高については、従来同様、前期末比で10%台前半の積み上げを目指していく。
大幅増収の要因は、新型コロナウイルスの影響で売掛債権の貸倒れリスクをヘッジするニーズが高まっており、新規顧客の申込件数増加が見込まれるためで、既存顧客向けに関しては若干の増加を想定している。また、新規顧客の契約分に関しては直近の倒産動向を反映し、保証料率の引き上げ(2019年12月1.62%→2020年3月2.13%)※を実施したことも増収要因となる。2019年12月に比べて2020年3月以降は同じ保証額であっても保証料(=売上高)は31%も増えることになる。保証料は保証期間内において月額按分で売上計上されるため、新規契約の増加とともに増収率も高まる傾向となる。半期ベースの売上計画で、上期の前年同期比20.4%増の3,500百万円から、下期は同37.7%増の4,200百万円と一段と拡大するのはそのためだ。なお、保証料率に関しては今後の倒産件数の動向次第で、再度引き上げる可能性もあるとしている。
※新規顧客向けの保証料率であり、既存顧客向けについては別途料率が異なる。
売上高が大幅増収見込みであるにも関わらず、営業利益の伸び率が9.6%増にとどまるのは、倒産件数の増加による保証履行額の増加を見込んでいること、また、同社が引き受けているリスクの大半は流動化しており、保証履行額の増加に伴うリスク流動化にかかる費用の上昇を見込んでいるためだ。とはいえ、ここ最近の景況感の急速な悪化と先行きの不透明感から、売掛債権保証サービスのニーズが飲食業を始めサービス業や小売業など幅広い業種で増大していることを考えると、営業利益は上振れ余地があると弊社では見ている。なお、親会社株主に帰属する当期純利益が減益見込みとなっているのは、ESOP信託終了に伴い法人税の減税等の影響が無くなることによる。なお、従業員数については2020年3月期末が150名程度で、2020年4月の新卒入社は24名となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YM>
1. 2021年3月期の業績見通し
新型コロナウイルス感染拡大による景気の急速な悪化が続くなか、同社は倒産動向や経済環境の変化を注視しながら、慎重なリスク判断に基づきサービスを展開しつつ、旺盛なニーズに対応するため営業体制の強化にも取り組んでいく方針だ。また、今後の景気悪化を織り込んだリスク評価の見直しや、リスクに見合った価格でタイムリーなサービスを提供することにより、経済インフラとしての役割を担うべく保証サービスの浸透を図っていく。特に、国内の就業者数の約7割を占める中小企業に関しては、飲食業やサービス業などを中心に厳しい経営環境を強いられているところも多く、現在の危機的な状況を回避できるよう様々な面からサポートしていく方針となっている。
こうした経営方針に基づき、2021年3月期の連結業績は、売上高で前期比29.3%増の7,700百万円、営業利益で同9.6%増の2,980百万円、経常利益で同9.1%増の3,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同15.3%減の1,950百万円を見込んでいる。期末保証残高については、従来同様、前期末比で10%台前半の積み上げを目指していく。
大幅増収の要因は、新型コロナウイルスの影響で売掛債権の貸倒れリスクをヘッジするニーズが高まっており、新規顧客の申込件数増加が見込まれるためで、既存顧客向けに関しては若干の増加を想定している。また、新規顧客の契約分に関しては直近の倒産動向を反映し、保証料率の引き上げ(2019年12月1.62%→2020年3月2.13%)※を実施したことも増収要因となる。2019年12月に比べて2020年3月以降は同じ保証額であっても保証料(=売上高)は31%も増えることになる。保証料は保証期間内において月額按分で売上計上されるため、新規契約の増加とともに増収率も高まる傾向となる。半期ベースの売上計画で、上期の前年同期比20.4%増の3,500百万円から、下期は同37.7%増の4,200百万円と一段と拡大するのはそのためだ。なお、保証料率に関しては今後の倒産件数の動向次第で、再度引き上げる可能性もあるとしている。
※新規顧客向けの保証料率であり、既存顧客向けについては別途料率が異なる。
売上高が大幅増収見込みであるにも関わらず、営業利益の伸び率が9.6%増にとどまるのは、倒産件数の増加による保証履行額の増加を見込んでいること、また、同社が引き受けているリスクの大半は流動化しており、保証履行額の増加に伴うリスク流動化にかかる費用の上昇を見込んでいるためだ。とはいえ、ここ最近の景況感の急速な悪化と先行きの不透明感から、売掛債権保証サービスのニーズが飲食業を始めサービス業や小売業など幅広い業種で増大していることを考えると、営業利益は上振れ余地があると弊社では見ている。なお、親会社株主に帰属する当期純利益が減益見込みとなっているのは、ESOP信託終了に伴い法人税の減税等の影響が無くなることによる。なお、従業員数については2020年3月期末が150名程度で、2020年4月の新卒入社は24名となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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