NY株式市場(23日)米議会における超大型景気対策の採決に注目−米株価指数先物は再びサーキット・ブレーカー発動
週末を通して行われたアメリカ議会での超大型景気対策法案に関する採決は、結局否決された。米民主党のペロシ下院議長は、23日日に独自法案を議会に提出する方針を示しているが、共和党の反対で成立しない公算が高いため、議会の混乱が続くものとみている。このため、週明けのアジア・タイムでアメリカ株指数先物は、ダウ平均、S&P500、ナスダック100いずれもサーキット・ブレーカーが発動した。
23日のアメリカ株式市場でダウ平均は急落して1万8000ドル台半ばから前半まで下げ足を早める場面も見られそうだ。アメリカ国内における新型コロナウイルスへの政策対応の遅れを嫌気した売りが先行するためだ。
ダウ平均の1万8300ドル台には、トランプ大統領が大統領選挙で当選を果たした2016年11月8日の終値(1万8332ドル)が控えている。
先週末の時点でダウ平均はトランプ政権発足以降の上昇分を帳消しにした。23日にはトランプ大統領の誕生そのものを否定しかねない水準に差し掛かる局面も想定しておきたい。
アメリカでの新型コロナウイルスの感染者数は3万人を超えて、中国、イタリアに次ぐ規模まで急増してきた。ニューヨーク州では先週末までに6万人超がウイルス検査を終えたという。今週も検査体制の拡充でアメリカ国内で感染者数の急増を避けて通れそうにないだろう。各主要都市での移動制限も本格化して経済活動に急ブレーキをかけている。
ただ、アメリカ議会では与野党が最後の落とし所を見出すことは間違いない。法案成立に向けた最終局面が続いている。いずれにしても新型コロナウイルスの感染拡大を受けた超大型景気対策が出てくることになる。
23日のアメリカ株式市場では、共和、民主による与野党の審議状況をにらみながら「議会での法案成立」といったニュースヘッドラインには敏感に反応する地合いが残されていると認識しておきたい。