NY株式市場(3日)ダウ平均は戻り売り圧力をこなす展開へ −2万7000ドルが視野に
取引開始前には新型肺炎の対応策を話し合うG7電話会議が行われた。注目された声明文では、新型肺炎による世界景気の下押し圧力を参加各国が「あらゆる政策手段」を投入して対応することを強調した。その上で協調して金融緩和を検討する姿勢が示された。
具体策は示されなかったものの、これまでのところアメリカ市場の地合いを大きく崩すまでには至らず、冷静に受け止めたようだ。参加各国の具体的な緩和策を見極める局面に入ったとみる。
国際的な協調の枠組みの中で取りまとめる声明文には、総論を示し各論=具体的な政策対応は参加各国に委ねるのが常識的だ。
具体的な政策を発動する際に、いわゆる参加各国の「協調体制」が敷かれるものとみる。あらかじめ手の内は明かさずにマーケットへのアナウンスメント効果を探る流れだ。
ダウ平均は、寄り付きで2万7000ドルの節目が視野に入るだろう。同時に底離れを試す動きが継続することになる。
2万7000ドル台には、2月12日の高値(2万9503ドル)から2月28日の安値(2万4743ドル)までの下落分(4760ドル)に対する50%戻し水準(2万7123ドル)が控えている。ダウ平均は、きのうの過去最大の上げ幅で31.8%戻し水準(2万6561ドル)はすでに達成している。
さらには、200日移動平均線(2万7260ドル)への早期回復が焦点となるだろう。