技術競争力から多方面で活躍、自動車・半導体業界の復調でバリュエーション見直しの動き
時価総額:568億円
PER:10.38倍
PBR: 0.70倍
自動車、建機、船舶、一般工業、半導体と幅広い分野まで手掛ける金属製メカニカルシールのメジャー企業であり、NOK系列。先進技術が求められる宇宙分野において、ロケット用のターボポンプシールや国際宇宙ステーション向け製品、航空機用エンジン向けシール等にも強みを持つ。
業績面において、売上高は増収基調を続け2018年3月期は過去最高を記録。営業利益段階では2015年3月期の過去最高をピークとして右下がりの展開が続いている。非接触で微妙なクリアランスが要求されるメカニカルシールの製造は非常に難しく、パーツごとの擦り合わせが重要。需要が高まる局面では生産性を維持するのが至難の業とも言える。
しかし2019年3月期中から米中通商問題により需要が変化し、今期中間期では主力の自動車・建機事業、一般産業向けの減益と半導体事業が赤字に転落した。このため業績予想を下方修正するに至ったが、一旦悪材料は出尽くしとなりそうだ。
株価は調整期を抜け出して緩やかな回復基調を辿っており、来期は自動車での2020年新モデルによる効果や半導体事業の業績改善、船舶事業での新船・アフターパーツの継続増加が予想される。また、業績は今中間期をボトムとして回復するだろうとみる。11/12の下方修正発表後に株価は上昇しており、今後はPBR1.0倍方向にバリュエーションレンジは向かうだろうと思われる。