~ワッツブランドの本格展開に続き、次なる事業再構築へ~
【ポイント】
・今期の会社計画が下方修正された。100円ショップ事業は堅調ながら、ファッション雑貨事業が低調なことによる。デンマークのライフスタイル雑貨 ソストレーネ・グレーネは、主力店の減損を行いつつ、売れ筋商品の安定供給に注力している。輸入雑貨卸のあまのは11月に事業から撤退すると決断した。
・主力の100円ショップ業界は厳しさが増している。いかに差別化を図るかが問われており、同質化すると下位は不利になる。ワッツはここからいかに個性を出していくか。ワッツブランド店の拡大、高額商品(200~1000円)の取り扱い、ディスカウントショップ リアルとのコラボ、キャッシュレスへの対応など、手は打っているがまだ道半ばである。
・ワッツブランドは、テナント型がWatts、委託販売型がWatts withとして新たに展開する。2月末現在、テナント型が178店、委託販売型が301店、合計479店(全体の4割)がワッツブランドとなった。今後も年100店ペースで拡大が続こう。
・収益動向をみると、ワッツブランドは順調であるが、既存店において、人件費や家賃の上昇が負担となっている。このコストアップをいかに克服していくか。出退店を見極めて、従来よりも厳しい基準で早めに手を打って、収益性を確保していく必要がある。
・海外ビジネスは黒字化しつつある。海外向け卸売りが増加しており、海外売上比率は全社の5%を超えてきたが、アジアや中南米にさらなる広がりが見込める。早期の海外売上比率10%を目指しているが、この比率の向上と共に利益貢献も高まってこよう。
・①国内100円ショップ、②海外均一ショップの小売・卸売、③国内ファッション雑貨の三位一体経営を目指しているが、ファッション雑貨はまだ課題を残している。
・100円ショップで、次なるイノベーションが求められる。小回りのきく店舗展開に優位性はあるが、加えてディスカウントショップ リアルの活用で、おもしろい展開が始まっている。この成否が注目される。来2020年8月期は増益に転換できようが、業績の回復テンポは当面の構造改革に依存するので、その動きに注目したい。
目 次
1.特色 規模では業界4位ながら、低コスト経営で小回りがきく存在
2.強み 迅速な出退店と独自の店舗オペレーションで収益力を発揮
3.中期計画 ワッツブランドによる店舗フォーマットの転換が進展
4.当面の業績 ファッション雑貨事業が負担に
5.企業評価 収益源の多様化に挑戦中
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2019年5月7日) |
680円 |
時価総額 | 95億円 (13.96百万株) |
PBR | 0.92倍 |
ROE | 2.7% |
PER | 33.7倍 |
配当利回り | 2.2% |
総資本 | 19834百万円 |
純資産 | 9888百万円 |
自己資本比率 | 51.3% |
BPS | 738.0円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2010.8 | 34634 | 1325 | 1542 | 726 | 58.7 | 10.0 |
2011.8 | 38188 | 1817 | 1985 | 1018 | 81.9 | 12.5 |
2012.8 | 40759 | 2056 | 2055 | 1177 | 93.3 | 15.0 |
2013.8 | 41725 | 2074 | 2075 | 1123 | 88.6 | 17.0 |
2014.8 | 43573 | 1784 | 1799 | 948 | 70.0 | 17.0 |
2015.8 | 44462 | 1257 | 1263 | 700 | 51.7 | 17.0 |
2016.8 | 46176 | 1205 | 1193 | 718 | 53.0 | 15.0 |
2017.8 | 47494 | 1209 | 1272 | 839 | 62.0 | 15.0 |
2018.8 | 49444 | 975 | 1037 | 633 | 46.8 | 15.0 |
2019.8(予) | 52000 | 920 | 880 | 270 | 20.2 | 15.0 |
2020.8(予) | 53500 | 1000 | 960 | 600 | 44.8 | 15.0 |
(2019.2ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2013年3月1日で1:2の株式分割。それ以前のEPS、配当は修正ベース。2013.8期、2014.8期の配当は、東証2部、1部への変更記念配2円、2015.8期の配当は創業20周年の記念配2円を含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/waltutu201904.pdf
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銘柄名称 | 株価 | 前日比 |
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