■業績動向
3. 財務状況と新株予約権発行について
アンジェス<4563>の2018年12月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比4,087百万円増加の8,050百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産は新株予約権の行使が進んだことで現金及び預金が4,637百万円増加した一方、原材料の評価替及び廃棄に伴い原材料及び貯蔵品が519百万円減少した。固定資産は保有有価証券の売却及び評価額の下落に伴い投資有価証券が69百万円減少した一方で、東京支社の移転に伴い有形固定資産が47百万円、敷金及び保証金が5百万円それぞれ増加した。
負債合計は前期末比25百万円減少の316百万円となった。買掛金が88百万円減少した一方で、未払法人税等が41百万円、未払金が12百万円増加した。また、純資産は同4,112百万円増加の7,734百万円となった。親会社株主に帰属する当期純損失2,996百万円の計上により利益剰余金が減少したほか、保有有価証券の売却及び評価額下落に伴いその他有価証券評価差額金が167百万円減少したが、新株予約権の行使に伴い資本金及び資本剰余金が合わせて7,474百万円増加したことにより吸収した。
なお、2018年10月に発行した第33回新株予約権(第三者割当て)の行使は順調に進んでおり、2019年1月から3月12日までに400万株が行使され、新たに3,885百万円を調達している。未行使分の株予約権は4.94万個(494万株相当)で、現在の株価水準(1,100円)で行使されたと仮定すれば、残り約50億円を調達できることになる。同社は今回調達する資金を、開発パイプライン拡充(53億円)やHGF遺伝子治療薬の市販後調査(11.5億)等に充当する予定にしている。新規パイプラインについては、今後4年間で4~5品目を取り込む想定となっている(1件当たり投下資金で8~10億円)。2018年7月に急性呼吸不全治療薬の共同開発契約を締結したカナダのVasomuneや、マイクロバイオーム事業の可能性を探索するため資本提携したイスラエルのMyBiotics Pharmaの案件も含まれている。
同社では、現在進めている開発プロジェクトでは、早期にライセンスアウトし効率よく資金回収を行い、次期パイプラインの投資資金として充当していく方針としている。とは言え、2019年12月期の業績見通しも、20億円以上の損失計上が続いていることから、2018年12月期の決算短信において、継続企業の前提に関する注記を付している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SF>
3. 財務状況と新株予約権発行について
アンジェス<4563>の2018年12月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比4,087百万円増加の8,050百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産は新株予約権の行使が進んだことで現金及び預金が4,637百万円増加した一方、原材料の評価替及び廃棄に伴い原材料及び貯蔵品が519百万円減少した。固定資産は保有有価証券の売却及び評価額の下落に伴い投資有価証券が69百万円減少した一方で、東京支社の移転に伴い有形固定資産が47百万円、敷金及び保証金が5百万円それぞれ増加した。
負債合計は前期末比25百万円減少の316百万円となった。買掛金が88百万円減少した一方で、未払法人税等が41百万円、未払金が12百万円増加した。また、純資産は同4,112百万円増加の7,734百万円となった。親会社株主に帰属する当期純損失2,996百万円の計上により利益剰余金が減少したほか、保有有価証券の売却及び評価額下落に伴いその他有価証券評価差額金が167百万円減少したが、新株予約権の行使に伴い資本金及び資本剰余金が合わせて7,474百万円増加したことにより吸収した。
なお、2018年10月に発行した第33回新株予約権(第三者割当て)の行使は順調に進んでおり、2019年1月から3月12日までに400万株が行使され、新たに3,885百万円を調達している。未行使分の株予約権は4.94万個(494万株相当)で、現在の株価水準(1,100円)で行使されたと仮定すれば、残り約50億円を調達できることになる。同社は今回調達する資金を、開発パイプライン拡充(53億円)やHGF遺伝子治療薬の市販後調査(11.5億)等に充当する予定にしている。新規パイプラインについては、今後4年間で4~5品目を取り込む想定となっている(1件当たり投下資金で8~10億円)。2018年7月に急性呼吸不全治療薬の共同開発契約を締結したカナダのVasomuneや、マイクロバイオーム事業の可能性を探索するため資本提携したイスラエルのMyBiotics Pharmaの案件も含まれている。
同社では、現在進めている開発プロジェクトでは、早期にライセンスアウトし効率よく資金回収を行い、次期パイプラインの投資資金として充当していく方針としている。とは言え、2019年12月期の業績見通しも、20億円以上の損失計上が続いていることから、2018年12月期の決算短信において、継続企業の前提に関する注記を付している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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