アライドアーキ Research Memo(2):拡大するSNSマーケティング市場に対して独自の価値を提供(1)

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最新投稿日時:2018/10/22 15:12 - 「アライドアーキ Research Memo(2):拡大するSNSマーケティング市場に対して独自の価値を提供(1)」(フィスコ)

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アライドアーキ Research Memo(2):拡大するSNSマーケティング市場に対して独自の価値を提供(1)

配信元:フィスコ
投稿:2018/10/22 15:12
■会社概要

1. 事業概要
アライドアーキテクツ<6081>は、「ソーシャルテクノロジーで、世界中の人と企業をつなぐ」というミッションのもと、企業がFacebookやTwitter、Instagram、LINEなどのSNSを効果的にマーケティング活用するための様々なSaaS※1及びソリューションを提供する国内最大級のSNSマーケティング会社である。また、中国を中心とする越境EC市場に向けたSNSプロモーション支援のほか、世界中の広告クリエイターから質の高い広告クリエイティブを短時間で提供できるグローバルプラットフォーム「CREADITS®(クレディッツ)」※2にも注力している。

※1 SaaSとは、ソフトウェアをネットワーク経由で必要な分だけ提供するサービス形態のこと。同社においては原則として月額契約(サブスクリプションモデル)のプロダクトを示す。
※2 旧「ReFUEL4®(リフュールフォー)」。提供価値やビジネスモデルの見直しに伴い、サービス名を変更。


主力サービスの「モニプラ」は、キャンペーンなどの施策を通じてSNSユーザーのファン化を実現できるマーケティングプラットフォームである。市場が拡大しているSNS領域に特化し深堀りすることにより、専門性と独自性を兼ね備えたサービスをワンストップで提供してきたことが、同社の強みの源泉となっている。また、最近では、企業のマーケティングが「マスベース」から「ファンベース」へと大きく変化する方向にあるなかで、提供価値を再定義するとともに、新たに「ファン・リレーションシップ・デザイン」構想を発表。これまでのようなWeb上やSNSのみならず、リアルな場所を含めた生活者との接点を通じて、企業のビジネス成長に必要な「ファン」との最適な関係構築を支援する方向性を打ち出している。サービス進化と市場ニーズの拡大が同時進行しており、SNSマーケティングの黎明期からファンづくりを支援し、アセット※を積み上げてきた同社にとっては、いよいよ成長加速の局面を迎えたと言えるだろう。

※企業のファン総数(1,910万人以上)、UGC生成数(1,432万件以上)、累計クライアント数(4,500社以上)など。


事業セグメントは、ソーシャルメディアマーケティング支援を主な事業とする単一セグメントであるが、サービス別では、主力の「国内SNSマーケティング事業」のほか、「越境プロモーション事業」、シンガポールの海外子会社Creadits Pte. Ltd.※による「クリエイティブテック事業(海外)」の3つに分類される。

※2018 年6月にサービス名の変更に伴い、「ReFUEL4 Pte. LTD.」から「Creadits Pte. Ltd.」に商号変更した。


各事業の概要は以下のとおりである。

(1) 国内SNSマーケティング事業
自社開発の多様なマーケティングプラットフォームの運営など、様々なSaaSプロダクトやソリューションを通じて、顧客企業のマーケティングやプロモーションの支援を行っている。顧客企業は例えば主力サービスの「モニプラ」を活用することで、各種キャンペーンの開催のほか、ファンサイト作成※1や効果分析※2などを行うことができる。顧客企業にとっては、1)キャンペーン等への効率的な集客のほか、2)商品モニターやアンケートを始め、フォトコンテストや懸賞・人気投票など、様々なキャンペーンを手軽かつ低コストで開催できることや、3)会員ユーザーとの交流を通じた自然な形でのクチコミの醸成(及び消費者への拡散)による認知度向上などにメリットがある。また、そこで蓄積されたSNSデータをデータマネジメント(CRMや需要調査、商品開発など)や精度の高いSNS広告に活用することも可能となっている。

※1 「モニプラ」上に作成される顧客企業専用のページであり、キャンペーンに参加した会員ユーザーデータが蓄積される仕組みとなっている。
※2 「モニプラ」管理画面より、キャンペーンに参加した会員ユーザーの状況やページビュー数、コメント、参加時間等のデータを分析するツールを利用できる。


すなわち、SNSマーケティング事業(特に、SNS広告)を展開している同業他社は多数存在するものの、「広告」、「運用」、「インフルエンサー」、「キャンペーン」、「データ」、「CRM」、「コンサル」、「制作」など、主要な全領域を業務範囲とすることにより、様々なSaaS※とソリューションの組み合わせによる独自の価値提供に優位性があると言える。

※主力の「モニプラ」や「モニプラ ファンブログ」のほか、「Letro(レトロ)」(ユーザー生成コンテンツ活用支援サービス)、「echoes(エコーズ)」(Twitter完結型キャンペーンサービス)、「ブランドタッチ」(ブランド支持者の発掘・起用を支援するサービス)、「リアルタッチ」(実店舗のファン獲得・育成を支援するサービス)など、ラインナップの拡充にも取り組んでいる。


一方、会員ユーザーにとっても、ワンストップで複数企業のキャンペーンにアクセスすることができ、その中から好みのキャンペーンに無料で参加し、商品等を入手したり、企業に対して商品等の感想や要望を発信するといった交流を図ることができるところにインセンティブがある。

同社は上記サービスを、FacebookやTwitter、Instagram、LINE等の主要なSNS各社との連携によってSNSユーザーに展開しており、登録ユーザー総数は500万人を突破するとともに、累計クライアント数も4,500社以上に上る。

2018年7月には、市場ニーズの変化に合わせて、新たに「ファン・リレーションシップ・デザイン」構想を発表。今後は、サービス領域を「SNSマーケティング」、「UGCマーケティング」、「Fanマーケティング」の3つの領域に位置付け、新構想の実現を推進する方針である。

(2) 越境プロモーション事業
中国を中心とする越境EC市場やインバウンド市場に向けて、SNSを活用したプロモーションの支援を行う事業である。2016年8月に中国最大規模のSNS「Weibo」の公式マーケティング会社IMSと提携し、「Weibo」の公認サービス「WEIQ」※1の日本における独占販売契約を締結すると、中国向けの動画インフルエンサーマーケティング事業を行う合弁会社Vstar Japan※2を設立した。本格的な業績貢献にはある程度の時間を要するものとみられるが、中国のEC市場は約91兆円(日本のEC市場は約10兆円、米国は約38兆円と推定される)と世界最大級の規模を誇る上、日本からの越境EC市場も1兆円規模と拡大基調にある。中国ではSNS利用者が多く、影響力も大きいことから、SNSを活用したプロモーションのポテンシャルは非常に大きい。

※1 「Weibo」や「WeChat」上のインフルエンサーを活用した中国向けコンテンツ拡散支援サービスである。約80万人のインフルエンサーが登録する中国最大級のインフルエンサーネットワークの活用が可能となっている。
※2 中国に向けた動画インフルエンサーを活用したプロモーション事業の日本国内における販売などを目的としている。


(3) クリエイティブテック事業(海外)
2014年3月に設立した海外子会社が運営する広告クリエイティブに特化したグローバルプラットフォーム「CREADITS®」(旧「ReFUEL4®」)を展開している。「CREADITS®」は、契約プラン(月額固定料金)に応じて付与される購入権チケット「CREADITS」と引き換えに世界中の広告クリエイター(100ヶ国1万人超)から質の高い広告クリエイティブを短時間で提供できるシェアリングエコノミー型のプラットフォームとなっている。また、独自開発の人工知能(AI)の活用により、より効果的なクリエイティブの提供をサポートする機能が組み込まれている。GoogleやFacebookなどのプラットフォームにとってはメディア収益の最大化、広告主にとっては広告効果の最大化、広告クリエイターにとっては生産性の最大化(及びビジネス機会の獲得)を実現することから、すべてのプレーヤーに対して価値提供が可能となっている。2016年10月には、Facebook,Inc. が年間で最も革新的なマーケティングサービス/テクノロジーを選出し表彰する「Facebook Innovator of the Year 2016」を受賞している。サービス提供を開始して以来、より完成度を高めるための先行投資や試行錯誤を繰り返してきたが、2018年6月に現在の新モデルをリリース。まだ売上規模は小さいものの、SaaS型プラットフォーム(サブスクリプションモデル)として順調に伸びている。

2. 企業特長
(1) 成長モデル
同社の売上高は、「顧客企業数」と「顧客単価」の掛け算方式で積み上げられる(ストック型ビジネス)。すなわち、SaaSにより「顧客企業数」の拡大を図るとともに、比較的広告予算のある大手企業に対しては、顧客ニーズに合わせた様々なソリューションを組み合わせた総合提案により「顧客単価」の向上を目指す成長モデルと言える。なお、顧客からの収益源は、SaaSによるサービス利用料(月額課金)をコアとするほか、キャンペーンなどにかかる各種ソリューション(インフルエンサー、制作、運用、コンサルティング、プラニング、広告、インバウンド、越境など)によって構成されることから、「顧客単価」の向上のためには、キャンペーン開催頻度を増やすことやサービス間のクロスセル(組み合わせ)を推進することが重要となる。特に、「ファン・リレーションシップ・デザイン」構想の実現に向けては、WebやSNSに限らず、リアルの場を含めた「ファン」とのつながりをいかに創り出していくのかが、これからの「顧客単価」向上のカギを握るものと考えられる。

(2) 収益構造
主力のSNS 関連サービスにかかる原価はSaaS運営費がほとんどであり、基本的には利益率の高い事業モデルである。ただ、広告収入については、広告原価がかかってくるため、広告収入の拡大(売上構成比率の拡大)は売上高を伸ばすことには大きく貢献するものの、売上総利益率の低下を招くことに注意が必要である。したがって、同社の本来の業績の伸びを見るためには、売上高よりも売上総利益額の動きを追うのが妥当と言える。もっとも、業績の変動要因となりやすい海外SNS広告サービスについては実施しないことを決定している。

また、同社は成長フェーズにあるため、広告宣伝費や開発費、M&Aにかかる費用など、将来に向けた先行費用の掛け方(政策的な判断)が営業利益率を左右するところにも注意する必要がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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配信元: フィスコ

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