米中貿易問題の影響
トランプ大統領は、中国企業の米国ハイテク企業への投資に関してCFIUS(対米外国投資委員会)の審査を強化する方針を示しました。
従来の姿勢よりも中国に対する姿勢が和らぐのではないかとの思惑から、米国株は一時大幅に上昇しました。株価の上昇もありドルは全般的に上昇しました。
しかし、結局米国株はダウが165ドル安になるなど3市場揃って下落となってしまいました。
これはカドローNEC(米国家経済会議)委員長が米メディアとのインタビューで「大統領の方針は中国に対する姿勢の軟化を示してはいない。」と発言したことを嫌気して株価は下落しました。
安全資産の債券が買われ、米10年債利回りは前日の2.88%から2.82%に低下しました。普通は債券利回りが低下すると通貨は売られるのですが、昨日はドルが買われて教科書どおりの動きとはなりませんでした。
ロンドン16時のフィキシング(東京の24時)に向けてドル買いの需給があったようで、このような特殊な需給がドルを押し上げたのかもしれません。
6月末は12月が決算の外国企業にとっては半期の決算に当たります。また日本企業にとっても月末、四半期にあたるのでそれらに絡む特殊な需給が出ている可能性があります。
最近は東京市場で売られて、海外市場で買われるのはそんな季節性の影響なのかもしれません。
しかし貿易問題が少なくとも中間選挙の11月まではテーマになるので、株価の上値を抑える材料になりそうです。
そうなるとリスクオフの流れということで、昨晩は128円台で高止まりしていたユーロ円が127.70~80付近のサポートを抜けて127.15付近まで下落しています。
ドル買いになる明確な材料もないのですが、ドイツの選挙の可能性など、もともと下落トレンドのユーロは、やはり1.15を試しにいきたそうにしています。
抽象的な表現ですが、1.17台の上値は重かったです。
1.1500はおそらく断続的にオプションのバリアーがあり、その需給が下値もサポートしているので1.15~1.18のレンジが続いています。1.16台のオプションはかなり大きかったので、あっさり下落したことには少し意外でした。