青木あすなろ建設、18年営業利益は6期連続となる増 技術者逼迫で今期業績予想は微増にとどまる

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最新投稿日時:2018/06/20 20:32 - 「青木あすなろ建設、18年営業利益は6期連続となる増 技術者逼迫で今期業績予想は微増にとどまる」(ログミーファイナンス)

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青木あすなろ建設、18年営業利益は6期連続となる増 技術者逼迫で今期業績予想は微増にとどまる

投稿:2018/06/20 20:32

企業集団の状況

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辻井靖氏(以下、辻井):それでは、2018年3月期決算について説明いたします。初めに、当社企業集団の状況について説明させていただきます。当社グループは、当社およびグループ会社8社により構成されております。当社グループは建設事業及び不動産事業を事業内容とし、これらに関連する事業を行っています。

当社グループは全国で土木建築業を営む当社と、海上工事・港湾工事を主力とするみらい建設工業、法面工事・地盤改良工事・耐火工事等を手掛ける東興ジオテック、海上工事を行う青木マリーン、北海道を地盤とする舗装道路工事のあすなろ道路、首都圏でリノベーション工事を行うエムズ、新潟県の舗装道路工事の新潟みらい建設、関西圏を中心に遺跡発掘・調査を行う島田組と、アクセスで構成されております。

業績サマリー(連結)

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次に、連結業績の概要について説明いたします。売上高は増収となり、営業利益は6期連続、経常利益と当期純利益は5期連続の増益となり、営業利益と経常利益は合併以来最高益となりました。では、それぞれの項目について簡潔に説明してまいります。

受注高(連結)

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受注高につきましては、建築事業は前々期(2017年3月期)に流山の大型物流施設を受注しました。反動減で383億円となり、土木事業は応札可能な技術者の逼迫による官庁工事の受注減少のため1,056億円と、前々期比6.2パーセント減。不動産事業を含めた全体では1,486億円と前々期比7.8パーセント減となりました。これらの受注により、前期末の連結の繰越工事高は、建築460億円、土木1,143億円の合計1,603億円となっています。

売上高(連結)

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売上高については、建築事業は前期上期における受注の減少などによる、当期受注完成工事の減少により408億円、土木事業は前期に用地問題などで中断した工事の再開などによる、手持工事の進捗により1,080億円、不動産事業は45億円。全体では1,534億円と、前々期(2017年3月期)より154億円増加しまして、合併以来の最高の売上高となっております。

売上総利益(連結)

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売上総利益についてはご覧のとおり162億円と、前々期(2017年3月期)比横ばいとなりました。

従業員数および生産性

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従業員数は採用数の増加により、グループ全体でも増加傾向となっております。経常利益は合併以来最高益となりましたが、一人当たりの経常利益額は横ばい傾向となっております。

キャッシュ・フロー(連結)

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前期の連結のキャッシュフローは、ご覧のとおりです。

貸借対照表(連結)

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貸借対照表はご覧のとおりです。当社グループは支払手形を発行しておらず、借入金ゼロの無借金経営であります。

グループ会社の業績(1)

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主要グループ会社である、みらい建設工業の業績について説明いたします。みらい建設工業は海上工事、港湾工事等を主力とする会社であります。みらい建設工業の前期の受注高は、応札可能技術者の逼迫により、前期比26.6パーセント減となりましたが、売上高は工事の順調な進捗で前期比27パーセント増となっております。なお、当期純利益の増加は、税金費用等の減少などによるものです。

グループ会社の業績(2)

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次に、主要グループ会社である東興ジオテックの業績について説明いたします。東興ジオテックは、法面保護工事、地盤改良工事、耐火工事等を主力とする会社であります。東興ジオテックは、受注高・売上高・利益のすべての項目で前期を上回り、増収増益となりました。中でも営業利益は、前期比20.2パーセント増となっております。

その他のグループ会社について

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次に、その他グループ会社の前期決算概要について説明いたします。埋立・浚渫工事が主力の青木マリーンは売上高39億円、埋蔵文化財調査事業を行う島田組とアクセスは売上高36億円、道路・舗装工事のあすなろ道路は売上高21億円、建築リノベーション工事のエムズは売上高14億円、道路・舗装工事を主力とする新潟みらい建設は売上高6億円となっております。

環境認識および課題(中期経営計画)

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続きまして、2019年3月期の年度経営計画について説明いたします。

はじめに、中期経営計画における環境認識のプラス要因としましては、建設投資は2020年まで継続し、内容的には社会インフラ更新工事・リフォーム市場の拡大、防災・減災対策工事が増加すると見込まれております。マイナス要因といたしましては、新設工事件数・担い手労働者・総世帯数が減少し、人口減少により経済全体が縮小することや、東京オリンピック以降の経済動向が不透明なことが挙げられます。

これらの環境認識のもとで、当社の強み・課題といいますと、強みといたしましては、防災・減災対策工事に独自技術を有していること、新エネルギー関連工事で豊富な施工実績を有していること、無人化施工技術を保有し、水陸両用ブルドーザーを5台保有していることなどでございます。

課題といたしましては、今後急激な進展が見込まれるi-Constructionへの対応であります。取り組みが他社に遅れた場合は、建設業界で生き残れないのではないかという危機感も持っております。また、工事量の増大に伴い現場技術者が逼迫しており、現状の生産性技術だけで解決するには、限界にきている状態でございます。そういう中、i-Constructionに代表される建設ICTを利用した生産性の向上が、急務となっております。

そして、今後減少が見込まれる建設技能者の確保のためには、協力会社との協働と働き方改革への対応が必要不可欠であり、当社におきましては「青木あすなろマイスター」を設けて、優秀な技術者に対して、当社が年間最大40万円の手当を支給することで、建設技能者の確保を図っていきたいと考えております。

基本方針・基本戦略・重点施策(中期経営計画)

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それでは、中期経営計画の基本方針・基本戦略・重点施策について説明いたします。

日本国内での建設投資は、今後急激な減少はないものの、漸減していくことが見込まれております。中期経営計画では、そのような環境を見越した事業体制の礎を築くことが必要になると考えました。国交省の取り組みを見てもわかるとおり、i-Constructionへ取り組むことにより、生産性を向上させることは緊急の課題であると考えております。

そして、生産性の向上にスピード感をもって取り組まない限り、建設業界で生き残っていくことは非常に難しくなるのではないかと、危機感を持っております。

また、資本政策では、当社が重要な経営指針と位置付けております営業利益率につきまして、安定的な配当確保のためにも、5パーセントの営業利益率の達成を目指していきたいと考えております。

これらのことを踏まえて、中期経営計画の基本方針は、「10年後を見据えた事業体制の構築」と「生産性向上へのスピード感ある変革」としています。そして、基本戦略としましては、建設投資の縮小を見越した事業領域の拡大と、i-Constructionへの対応による生産性向上による営業利益率5パーセントの達成としております。

次に、重点施策を説明いたします。

土木と建築の両方で、今後は新設工事からリニューアル工事へと発注がシフトしていくと想定され、その対応に注力していきたいと考えております。今後、官庁の発注工事は減少していくことが想定されるため、民間非住宅や民間土木の顧客の深耕と拡大に注力してまいります。

また、この中期経営計画内で十分な成果が出るとは考えておりませんが、10年後を見据えてPPP、PFIへも積極的に取り組んでいきたいと考えております。そして、先ほど述べましたi-Constructionへ取り組むことによる生産性の向上、合理化技術への対応は、すべての分野で推進していきたいと考えております。

公共工事についてですが、ベース・プロジェクトを選別受注することで利益を確保するとともに、現在の売上規模や工事実績を維持してきたいと考えております。新規事業としましては、後ほど説明いたしますが、アビダスに続く、脱請負事業の開拓による事業領域の拡大を目指してまいります。

経営サイドの取り組みとしましては、1点目はコンプライアンスの徹底および、内部統制システムの充実とコーポレートガバナンスの強化です。2点目は、先ほども述べましたとおり、安定的な配当を確保するための5パーセントの営業利益率の確保です。

3点目は、建設業の原点に回帰し、適切なガバナンスの下で、安全施工と要求品質の確保に努めてまいります。4点目は、女性管理職の登用や、女性配置の少ない部署への女性増員による女性活躍の推進です。これら4点の取り組みに、注力してまいりたいと考えております。

建設事業の事業戦略

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それでは、年度経営計画の建設事業の事業戦略について説明いたします。

建築事業では、工場や物流施設などの非住宅分野の受注に注力いたします。また、リニア中央新幹線の開業を見込んで、投資意欲が旺盛な中京圏の営業を強化してまいります。そして、当社の独自技術である耐震補強の制震ブレースと、耐震天井のAA-TEC工法の営業にも、力を入れていきたいと考えております。

土木事業におきましては、再生可能エネルギー分野のでの企画提案力、支援・施工力を向上させるとともに、現在は行っていないEPCへの参入も検討していきたいと考えております。また、官庁工事などベースプロジェクトにつきましては、技術力の維持向上と工事実績確保のために、選別した受注に注力してまいります。

建築事業と土木事業の共通事項としまして、先にも述べておりますが、i-Constructionに取り組むことによる生産性の向上、合理化技術への対応は、すべての分野で推進してまいります。PFI、PPP分野の工事発注の増加が想定されることから、これらの分野への取り組みを強化し、またクリーンセンターの建て替え工事や既設橋梁の耐震性向上工事、無人化技術を利用したリニューアル工事などのリニューアル・リプレイス工事の受注にも、取り組んでいきたいと考えております。

アビダス・新規事業の事業戦略

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続きまして、アビダス事業と新規事業の事業戦略について説明いたします。

アビダス事業では、事業エリアは原則として東京23区内の駅力のある、駅から徒歩10分以内の物件をターゲットとし、DINKs……つまり、共働き家族を対象とした物件に取り組んでまいります。新たなブランド名「Tissage」を立ち上げた理由は、従来の「アビダス」という名称は売り手の立場の、青木あすなろビルドアンドダイレクトセールスの頭文字を取ったものであったため、お客さま目線に立ったブランド名を立ち上げたものです。

新規事業では、不動産再生ビジネスとして中古の商業ビルをホステル物件にする再生ビジネスに取り組んでおり、本年3月に第1号物件を取得しました。現在は物件を運営会社に賃貸して家賃収入を得ておりますが、将来的には当社においてもノウハウを取得し、自社での運営も検討していきたいと考えております。また、物件数も年間数棟ずつ増やしていき、想定利回りが確保できるのであれば、3年から5年のタームで売却と取得を繰り返すことも想定しております。

チョウザメとアワビの養殖についてですが、現在、事業化に向けた実証実験に取り組んでおります。今後、この検討を続けていきたいと考えております。

経営基盤強化に向けた戦略

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次に、経営基盤の強化に向けた戦略について説明をいたします。

働き方改革では、日建連が策定した週休2日実現行動計画に基づき、当社が策定したアクションプランでは、本年度中にJVサブ現場など適応困難事業所を除き、4週5閉所の実現を目指してまいります。なお、現在の現場勤務者の4週6休取得状況は8割程度、作業所の4週5閉所の実施状況は6割程度ですが、今年度中の100パーセント4週5閉所を目指してまいりたいと考えております。

女性活躍では、現在女性管理職が全社で3名ですが、2020年度末までに女性管理職を10名以上とする予定です。今後は、これまで女性の少なかった部署等に、女性を積極的に配置していきたいと思います。なお、作業所勤務の技術系女性社員数は4月現在で建築8名、土木1名の合計9名となっております。社員教育についてですが、人件費はコストではなく投資であるという認識のもとに、社員教育に力を入れていきたいと考えております。

ガバナンスへの取り組みでは、東北農政局発注工事に関して、独占禁止法違反の嫌疑で公正取引委員会の立ち入り調査を受けたことから、コンプライアンスマニュアルを見直し、同業他社との接触に関わるマニュアルを策定しました。これらを徹底することで、コンプライアンス意識の徹底を図ってまいります。

内部統制システムの充実とグループガバナンスの強化では、グループ全体でコンプライアンスの担当者会議を定期的に開催して、情報の共有と意識の平準化を図っており、今年度はさらに一歩進めようと考えております。また今年度中に、グループ内部通報制度の強化も図る予定でございます。

コーポレートガバナンス・コードの改訂についてですが、本年(2018年)6月に一部改訂が行われる予定となっており、改訂部分の提出期限は本年12月となっております。当社は可能な限り、本年6月に改訂部分への対応も含めて提出していきたいと考えております。

なお、事業ポートフォリオを大きく変えるほどのインパクトはありませんが、先ほど述べました、新規事業のホステルの運営では3年程度の期間で約50億円の投資を考えており、本年度の設備投資は約20億円、研究開発投資は3億円、採用・研修等の人件費投資につきましては約1億円を予定しております。

グループ会社の事業戦略

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次に、グループ会社の中期事業戦略について説明いたします。

みらい建設工業では、今後増加することが予想されております港湾施設等の維持、修繕工事等への対応を急ぎたいと思います。さらに、導入済みの4Dエコーなど、海上工事におけるi-Constructionへの対応を強化してまいります。また、現在取り組み中の海流発電に加えて、洋上風力発電の研究も強化してまいります。

東興ジオテックにつきましては、法面への吹付け作業の省力化、ロボット化を目指した次世代工法の開発に取り組んでおります。また、施工しました法面において、植物が過剰に生育することが望ましくない場合に対応可能となる、法面の植物の育成を抑制する新たな技術を導入した緑化工法の開発・実用化に取り組んでまいりたいと思います。

業績予想サマリー

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次に、今期の業績予想について説明いたします。

連結では、受注高1,600億円、売上高1,570億円、営業利益77億円、経常利益77億円、親会社株主に帰属する当期純利益54億円と(前期比で)横ばいに近い増収増益を予想しております。

単体でも、受注高960億円、売上高910億円、営業利益41億円、経常利益57億円、当期純利益42億円と、こちらも(前期比で)横ばいに近い増収増益を予想しております。

当社・みらい建設工業・東興ジオテックで技術者が引き続き逼迫しているために、大幅な受注の増加が見込めないことによるものです。

セグメント別業績予想(連結)

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次に、連結のセグメント別業績予想を説明いたします。

建築事業は、前期は前々期の反動減がありましたが、今期はある程度の大型案件が想定されているため、(受注高は)前期比20パーセント増を見込んでおります。

土木事業は、(受注高は)前期比5パーセント増、不動産事業はアビダス事業の事業エリアの再構築により、前期にエリア外の案件を処分いたしました反動で、35パーセント減を予想しております。

セグメント別業績予想(個別)

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続いて、単体のセグメント別の業績予想についてです。

建設事業は、連結業績のほぼすべてが単体で占めていることもあり、連結同様に前期比20パーセント増を見込んでおります。土木事業は前期並みを(予想しており)、不動産事業は連結同様にアビダス事業の事業エリアの再構築により、前期にエリア外の案件を処分した反動で、33パーセント減を予想しております。

経営指標

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最後に、資本政策について説明いたします。

当社では、株主のみなさまへの利益還元を経営上の重要な課題の1つと位置づけ、財務体質の強化のため、必要な株主資本の充実に努めるとともに、安定した配当を継続しつつ、企業業績に応じた利益還元を行うことを基本方針としております。当社は、当期純利益で赤字を計上した年度も配当を継続するなど、従来から安定配当による利益還元に努めてきております。今後とも、この姿勢を継続したいと考えております。

以上をもちまして、青木あすなろ建設の2018年3月期決算ならびに、年度経営計画に関する説明を終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございます。

配信元: ログミーファイナンス

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