まだテクニカル指標での割安感はありません
米政権が、中国の知的財産権侵害を理由に500億ドル(約5兆5000億円)分の中国製品へ追加関税を課すと発表し、中国はこれに対抗して米国製品に同額の報復関税を課すと発表しました。
米中の報復の連鎖が企業活動に悪影響を及ぼすとの懸念から中国関連銘柄の値下がりが目立ち、世界経済の停滞懸念から海運や機械、鉄鋼などへ利益確定売りが広がるなか、大阪北部地震の被害状況を見極めたいとして買いを見送る雰囲気に加え、関西銘柄の一角には売りが出ました。
東証1部の売買代金は2兆2568億円、騰落銘柄数は値上がり507銘柄、値下がり1518銘柄、日経225採用銘柄では値上がり31銘柄、値下がり189銘柄となっています。
日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数はともに反落しました。
日銀のETF買い期待で大引けにかけて下げ幅を縮小したため、日経平均の終値は25日線(今日現在:22646円)を上回りましたが、安値ではこれを割り込みました。
25日線自体が上昇から横ばいに転じてきているため、あす以降もこれが下値サポートとなるのか注目されます。
テクニカル指標は高値圏を示唆するものは無くなりましたが、先週末には注目されているサイコロジカルラインが高値圏を示唆する75%に達したばかりで、まだ積極的には買いづらい位置です。
騰落レシオ25日は86.73まで調整が進み、3月9日以来となる3ヶ月ぶりの水準まで低下しましたが、まだ売られ過ぎを示唆する水準ではありません。
基本的には下がってくれば買い場を探すことにはなりますが、中途半端な位置で買うのは控えたいところですので、できれば25日線(今日現在:22646円)を割り込んで下落に勢いがつくところなどを待ちたいイメージです。
新興市場は、あす上場のメルカリを買うための換金売りが完全に一巡する週末に向けては、再度戻りを試す展開になりそうです。