雇用統計まではレンジか? 今週の為替展望(5/28週)

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最新投稿日時:2018/05/28 12:00 - 「雇用統計まではレンジか? 今週の為替展望(5/28週)」(山口哲也)

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雇用統計まではレンジか? 今週の為替展望(5/28週)

著者:山口哲也
投稿:2018/05/28 12:00

【先週のドル/円の値動きと今週の経済指標】

ECO20180528
先週の米ドル/円(TFX)は、反落。週初110.870で寄付いたドル円は、ムニューシン財務長官が中国との貿易戦争について留保する考えを表明したことや中国が自動車の輸入関税率の引き下げを発表ことなどから、一時、今年1月18日以来、約4ヶ月ぶりの円安水準となる111.405まで上昇いたしました。
しかし、その後、トランプ大統領が米朝首脳会談の延期にを検討していることや、24日には、会談の中止を表明したことにより、円が買われ、米ドル円は109円割れまで下落しました。その後は、北朝鮮が米国との会談に前向きな態度を示したことで、109円台を回復し、109.45で引けました。
なお、先週の高値と安値の差は2.465円(週足の始値に対するこの値幅のボラティリティは2.223%)となっており、週足ベースでは今年4番目の値動きとなっています。

今週は、30日に米5月ADP雇用者数、米第1四半期実質GDP(改定値)、6月1日には米5月雇用統計、米5月ISM製造業景気指数といった主要な経済指標が予定されており、注目されます。
30日の米5月ADP雇用者数は、雇用統計の前哨戦として、市場予想(前月比18.5万人増)よりも強い場合は、強い雇用統計がイメージされることで、米長期金利の上昇からドルは買われやすくなり、逆に、弱い結果となる場合は、ドルは売られやすくなります。また、6月1日に発表される米5月雇用統計については、失業率の市場予想は3.9%、非農業部門雇用者数の市場予想は前月比+19.0万人増、平均時給の市場予想は前月比+0.2%となっています。ISM製造業景気指数については、先月は市場予想よりも若干弱く直近は60.80から弱含むものの、2016年はじめより上昇傾向で景気の分かれ目を示す50を超えて推移していることから、比較的強い結果をイメージしています。なお、今週の主な指標は図のとおりです。

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
米ドル/円の週足チャートは、52週移動平均線を下回り、26週移動平均線も瞬間的に割り込む展開となりましたが、終値ベースでは26週移動平均線を上回って終えました。
ストキャスティクスは高い水準から下向きに変化しており、中長期の移動平均線は下向きとなっているため、今週は雇用統計を控えていることもあり、3月につけた104円台からの上昇に対するスピード調整が継続しそうです。レジスタンスは52週移動平均線が位置する110.31、サポートは26週移動平均線が位置する109.093。

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
一方、米ドル/円の日足チャートは、基準線、転換線ともに上向きで、転換線が雲や日々線に下支えされているように見受けられますが、ストキャスティクスは下降基調となっているため、短期的には、様子見。ストキャスティクスが上昇トレンドに転換したことを確認できる場合は、斥候的に買いを仕掛けたいところです。
ただし、その場合でも、200日移動平均線や一目転換線が位置する110.20前後がレジスタンスとして意識されるので、注意が必要です。

このコメントはテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想

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